6月
【184】2017年6月26日付 フィンテック最新事情(56)
顧客の視線は、ハイテクに厳しいHSBC調査
HSBCホールディングスは5月24日、調査レポート「テクノロジーへの信頼」を発表した。それに関して、「銀行の努力にかかわらず、顧客はブロックチェーン、ロボアドバイザー、デジタル財布などのハイテクの現状を理解していない」とバンクイノベーション・サイトが報道した。
HSBCの発表は「ハイテク恐怖症が増えている―ハイテクを受け入れるには教育がカギを握る」との内容だった。
HSBCの11カ国1万2000人を対象にしたこの調査では、顧客がテクノロジーをどう感じ理解しているのか、テクノロジーを信頼し受け入れているのか、そしてこれからの改革にいったい何を期待しているのか、に焦点があった。
レポートは序文で、「デジタルテクノロジーは世の中を急激に変えている。モバイル・バンキングのユーザー数は2019年に15年当時の約2倍、18億人になり、全人口の約25%を占めると予想。70カ国3700万人の顧客にサービスをしているHSBCは、すでに実証されたニューテクノロジーを使い、容易・安全・シンプルな操作で、変化する顧客の要求に常に応えられるサービスを提供していく」と主張
する。
HSBCの発表は「ハイテク恐怖症が増えている―ハイテクを受け入れるには教育がカギを握る」との内容だった。
HSBCの11カ国1万2000人を対象にしたこの調査では、顧客がテクノロジーをどう感じ理解しているのか、テクノロジーを信頼し受け入れているのか、そしてこれからの改革にいったい何を期待しているのか、に焦点があった。
レポートは序文で、「デジタルテクノロジーは世の中を急激に変えている。モバイル・バンキングのユーザー数は2019年に15年当時の約2倍、18億人になり、全人口の約25%を占めると予想。70カ国3700万人の顧客にサービスをしているHSBCは、すでに実証されたニューテクノロジーを使い、容易・安全・シンプルな操作で、変化する顧客の要求に常に応えられるサービスを提供していく」と主張
する。
・・・続きは紙面に掲載
【183】2017年6月19日付 フィンテック最新事情(55)
デジタルバンカー・オブ・ザ・イヤー 2017
アメリカン・バンカー(AB)紙の選ぶ「今年のデジタルバンカー」にバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のミシェル・ムーア女史(デジタルバンキング及びコンシューマー・アドバンスト・ソリューション統括責任者)が選ばれた。AB紙の記事(5月31日付)は、彼女の行内での14年間のキャリアがテクノロジー部門でなかったのを強調した紹介になっている。
2年半前にコールセンターの責任者であった彼女が現職に抜擢された時の驚きを次のように述べる。
「銀行のデジタル化を推進してくれだって?デジタルバンキングなんて知らない。息子と一緒に任天堂のW i iしか使ったことがなく、やっと古い折り畳み式の携帯電話をスマホに変えたばかりなのに!」。
しかし彼女には、テクノロジー嫌いの傾向はあったにせよ、新しいビジネスへの意欲と、顧客からの反応を知りたいとの強い執着心があったようだ。
「銀行のデジタル化を推進してくれだって?デジタルバンキングなんて知らない。息子と一緒に任天堂のW i iしか使ったことがなく、やっと古い折り畳み式の携帯電話をスマホに変えたばかりなのに!」。
しかし彼女には、テクノロジー嫌いの傾向はあったにせよ、新しいビジネスへの意欲と、顧客からの反応を知りたいとの強い執着心があったようだ。
・・・続きは紙面に掲載
【182】2017年6月12日付 フィンテック最新事情(54)
〝オープンバンク〟の船出 BBVA
「もし、銀行にとってAPIが必須となるまで待つ姿勢を続けているなら手遅れになる」(5月22日アメリカンバンカー紙)と米国銀行業界に警鐘が鳴った。「英国ではオープンバンクAPIを推進している。これに比べて米国銀行界は、まるで1世紀前の古い銀行のようだ」(同紙2015年11月25日付)の文脈が、今もそのまま引き継がれているのに驚かされる。この背景にペイメントの革新を目指し16年に施行され、欧州での水平分業を可能にする「決済サービス指令PSD2」が、欧州地域31カ国で18年1月13日までに法制化する義務のかかる期日が迫ってきたことにある。まずこれを簡単に説明する。水平分業で革新的なサービスを可能にするために、銀行が保有する顧客口座情報を、顧客の事前承認に基づき第三者でもアクセスを可能にするように、各銀行にはデータ・シェアリング・ツールとしてAPIの実装を銀行に求めた。将来的には米国にもPSD2類似の導入が想定されているが、まだ制度化されておらずこのような警鐘となった。
・・・続きは紙面に掲載
【181】2017年6月5日付 フィンテック最新事情(53)
「創造的破壊者」50社の盛衰 CNBC
フィンテックを語る際、他の業種から社会的インパクトを与えたAirbnbやUberのような「創造的破壊者」(ディスラプター)の出現に期待感が大きいのは事実だ。「金融のウーバーナイズ」といわれ現状はどうか。「2 0 1 7 C N B C D i s r u p t o r
5 0 Companies」(5月16日発表)の中に、フィンテック5社が入ったとFinovateが報じた。まず「創造的破壊者」が意味するものとは何か、その語源を改めて探ってみる。
ジョセフ・シュンペーター(経済学者、1883~1950年)は景気循環論(1939年) の中で、「資本主義発展の担い手として企業が導入するイノベーションこそ経済発展の原動力であり、それを可能にするのが銀行による信用創造である。利潤獲得のため『古いものを破壊し新しいものを創造していく』不断の資本主義の活動を『創造的破壊』と呼び、これが景気循環を生み出す源泉でだと指摘」。
ジョセフ・シュンペーター(経済学者、1883~1950年)は景気循環論(1939年) の中で、「資本主義発展の担い手として企業が導入するイノベーションこそ経済発展の原動力であり、それを可能にするのが銀行による信用創造である。利潤獲得のため『古いものを破壊し新しいものを創造していく』不断の資本主義の活動を『創造的破壊』と呼び、これが景気循環を生み出す源泉でだと指摘」。
・・・続きは紙面に掲載