2017年5月22日
2017年5月22日付 第2934号
1面
ゆうちょ銀の新商品に「反対」 両業界が指摘
信金 「勢態未整備」の融資参入
生保 「予想超えた」獲得シェア
郵政民営化委員会は12日、「ゆうちょ銀行とかんぽ生命の新規業務」を民間の全国信用金庫協会と生命保険協会から、新商品の参入の上場(融資・終身保険)反対の意見を聴取した。日本郵政は15日に民営化の上場以来初の赤字決算を発表した。自民党は17日の会合で「早くて2年後の開始と聞くカードローンのビジネスモデルは確定しているはず」と不満の声が相次いだ。
2面(総合)
電子地域通貨
商用化へ実証実験 飛騨信組
「クレジットより優位性」狙う
【名古屋】飛騨信用組合(岐阜県高山市)は15日から、スマートフォンアプリを活用した電子地域通貨の実証実験を開始した。まず同信組の役職員を対象に試験導入。セキュリティーや運用面、法制度などにおける課題を抽出・改善したうえで、10月からの本格稼働を目指す。実現すれば金融機関主導で地域住民や観光客も使える地域通貨の商用化は全国初となる
3面(地域総合)
利ザヤ縮小が加速 地域銀104行 2017年3月期
単体純利益1兆円割れ 有価証券運用含み損が拡大
地域銀行の収益環境が厳しさを増している。5月下旬に決算発表の但馬銀行を除いた地方銀行、第二地方銀行104行の2017年3月期(単体)純利益は14%減の9700億円規模となり、1兆円を割り込んだ。日銀のマイナス金利政策の影響で利ザヤが縮小していることに加え、有価証券運用でも米金利上昇を受けて含み損が拡大した。
4面(大手行・証券・保険)
大手銀6グループ減益 2017年3月期連結決算
マイナス金利が影響 実質業純 増益は三井住友のみ
大手銀行7グループの2017年3月期連結決算が15日に出そろった。三井住友フィナンシャルグループを除いた6グループが減益となった。日銀のマイナス金利政策の影響は大手行と言えども少なくなく、国内での貸し出し時の利ザヤを押し下げ利益を減らした。国内で向かい風が吹く中、その状況は今期も続くと見て、厳しい業績予想が並ぶ。
5面(ノンバンク・ICT)
本業は成長力強く クレジット・消費者金融 17年3月期決算
懸念は過払い金返還請求
上場クレジット、消費者金融会社の2017年3月期連結決算がまとまった。クレジットカード・信販ではカード、消費者金融では本業の無担保ローンが力強く成長。調達金利の低下なども増益に寄与した。懸案は過払い金返還請求の動向。アコムが将来の請求見通しを保守的に改め最終赤字。オリコも引き当てを実施した。予断を許さない状況は続いている。
6面(地域銀)
消費者ローン急拡大 ふくおかFG
17年度650億円増を計画
ふくおかフィナンシャルグループ(FG)が個人ローンで強烈な伸びを見せている。福岡銀行を筆頭に親和銀行、熊本銀行とも前年比で2桁を超える高い伸びを示しているのが特徴。顧客にあわせた多彩な品ぞろえを用意するなど商品性の拡充が一通り済んだ2016年度に入り、テレビCMなどマーケティング活動を強化していたが、それらが確実に効果を上げた格好だ。
7面(信金・信組)
しんくみに「保育園」 大東京信組
保育士不足で行政と連携 「企業主導型」吉祥寺支店に
大東京信用組合(東京・港)は保育士不足解消のため行政と連携し保育士用の保育施設の支援に乗り出す。2018年3月に新築する吉祥寺支店内に保育園のほか、保育士のための保育園も設けるという計画だ。
具体的には3階を東京都の認証を得た保育園(40人収容)、4階を内閣府が推奨する企業主導型の保育士のための保育園(15人収容)として賃貸するというもの。企業主導型にすると、武蔵野市の待機児童問題にも貢献できる。
8面(文化)
【Runner】 池田泉州銀行
銀行初、生命保険販売をペーパーレス 従来に比べ50%時間を短縮
最短3日で証券発送が可能
【大阪】池田泉州銀行は銀行業界で初めて、銀行と保険会社を直結したシステムをNTTデータと共同開発し、生命保険販売のペーパーレス化を実現した。5月15日からは、住友生命、三井住友海上あいおい生命、三井住友海上プライマリー生命の商品の取り扱いを開始した。2014年12月の同社との「次世代預り資産営業支援システム」の共同開発基本合意後も昨年の投資信託販売手続きのペーパーレス化を進めてきた。