2017年4月3日
2017年4月3日付 第2928号
1面
「再生」から「活性」ファンドへ
地銀の地域密着 金融庁が新局面に誘導 静岡銀の投融資はモデル
自民党金融調査会(会長=根本匠衆院議員)は3月22日の若手議員勉強会に金融機関の「地域活性化の向けた取り組み」を静岡銀行(地銀協会長行)と地域経済活性化支援機構(REVIC)から聴取した。地銀からの投融資は金融庁が従来の中心だった「事業再生ファンド」を「地域活性化ファンド」に切り替える新たな流れを誘導。また官主導のファンド組成を民間中心の投融資に向かうよう求めてきていた。今後の地域金融機関は、地域の成長を目指す活性化案件をどう選択するかの戦略になる。静岡銀は3月28日に新頭取に内定した柴田久常務が説明、金融庁から監督局総務課長と銀行第二課長が同席している。
2面(総合)
CMS高度化・仮想通貨の流通を規定
法環境の整備急ぐ 金融庁
法環境の整備急ぐ 金融庁
金融庁は2016年6月公布の銀行法改正後の動きを▽金融グループでの「経営管理の充実」▽「共通・重複業務の集約」などを通じた金融仲介機能強化▽ITの進展に伴う「技術革新への対応」▽「仮想通貨」への対応―に分けて説明した。
①持ち株会社が果たすべき「機能」を明確にする。
②システム管理や資産運用などグループ内の共通・重複業務を持ち株会社で実施可能にする「アームズレングスルール」の適用の柔軟化。
③金融関連IT企業への出資、決済関連事務の受託の容易化など金融グループ全体の柔軟な業務展開を可能にする。
①持ち株会社が果たすべき「機能」を明確にする。
②システム管理や資産運用などグループ内の共通・重複業務を持ち株会社で実施可能にする「アームズレングスルール」の適用の柔軟化。
③金融関連IT企業への出資、決済関連事務の受託の容易化など金融グループ全体の柔軟な業務展開を可能にする。
④仮想通貨では利用者が預託した仮想通貨の分別管理ルールの整備―などを挙げ、これらの制度面での手当を行うとしている。
3面(地域総合)
スマホアプリでインバウンド取り込み
H.I.S.+湘南モノレール
H.I.S.+湘南モノレール
湘南信金と覚書 沿線の格差改善で活性化
湘南信用金庫(神奈川県横須賀市)はエイチ・アイ・エス(東京・新宿)および湘南モノレール(神奈川県鎌倉市)と地域活性化に向けた覚書を締結した。「H.I.S.クーポン」アプリを活用して、湘南モノレール沿線の情報発信を強化し、地域格差の改善と活性化を図る。同信金の顧客は、多くのインバウンド(訪日外国人)需要の取り込みが期待できる。エイチ・アイ・エスによると、クーポンの利活用で金融機関と連携するのは湘南信金が初めて。
4面(大手行・証券・保険)
日興アセット 運用多様化で高配当ETF
機関投資家に活用機運
機関投資家に活用機運
日興アセットマネジメント(AM)が資金運用難を背景に関心が高まる高配当の上場投資信託(ETF)に力を入れている。3月には低金利時代に向け新たなETFを設定し、同19日に東京証券取引所に上場した。ETFセンター長の今井幸英氏は「運用の多様化が求めらる金融機関はETFを上手く利用しようという機運が高まっている。実際、かなりの資金が流入している」と話す。
5面(ノンバンク・ICT)
地域でも消費活性化
カード各社が協業 キャンペーン、積極的に展開
クレジットカードを切り口にカード各社が協業、地域や消費の活性化を目指す施策が着実に広がり始めた。クレディセゾンが主催し、比較的大きな商業施設と連携する「街カードフェスタ」、ユーシーカードとオリエントコーポレーションが日常使いの小型店舗と協業する「エリアカードキャンペーン」などが今春から初夏にかけて目白押し。加盟店売り上げやカード利用の拡大をはじめ、エリアにも貢献する。カードの利便性を実感してもらいキャッシュレス決済を推し進める。
6面(地域銀)
拠点機能17年度も強化
愛知中心に新設計画 特化型含め3形態で
東海3県・地域銀
【名古屋】愛知、岐阜、三重の東海3県に本店を置く地域銀行は2016年度、営業拠点の刷新や機能強化に引き続き取り組んだ。ネットワークの充実や地域の特性に合わせた店舗づくりを進めることで、法人・個人との取引深耕を図るのが目的だ。新設店も2017年度以降、意欲的に進める計画を立てる。フィンテックに代表される新たな金融の潮流を確実に捕捉するために必要な投資とともに、経営資源を有効に活用する。
7面(信金・信組)
広島市信組
65歳定年を実現 給与初任給も引き上げ
女性代理職の登用も34カ店へ拡大
【大阪】広島市信用組合(広島市)は4月1日から就業規則を改正し65歳定年、再雇用年齢の拡大を実現するとともに、給与や初任給の見直しも行った。また女性代理職の登用も34カ店へ拡大する。
「定年延長は働き方改革の一環として制度改正に踏み切った。60歳がまだ若いこと、働き甲斐ある職場や安心して働くことができる環境の整備を進める。年金制度への対応や人材育成の点から見直しを急いだ」(総合企画部)と言う。従来の職員の定年は「満60歳に達した時とする」としてきたがこれを65歳に引き上げ、同時に嘱託契約(期間1年)も65歳までから70歳まで再雇用する。
8面(文化)
【Runner】 クレディセゾン
ポイント「運用」、長期投資の試運転 3カ月で2万7000人が利用
市場の動き体感、成果も享受
クレディセゾンがその特徴である「永久不滅ポイント」を活用した新たなサービスを展開して話題を呼んでいる。貯めたポイントを投資金額に見立てて「運用」し、その成果で「運用ポイント」が増減する。もちろん、増えたポイントを使うこともできる。開発を担当した13人のタスクフォースメンバーは「サービスを長期投資の試運転とすることで投資に興味を持つ契機にして欲しい」と願う。