3月
【172】2017年3月27日付 フィンテック最新事情㊻
再び、銀行に顧客を取り戻す
銀行を通じ、お金を他の銀行口座を持っている友人や子供に送る。この時、銀行名、口座種類、口座番号、口座名義人名を、なぜ要求するのだろうか。今は当たり前のように個人を特定するのに電子メールアドレスか携帯電話番号が使われる。しかし、銀行は依然として為替業務システムで求められる詳細な個人情報を顧客に求めてくる。
友人にモバイル・バンキングから送金する時、要求される操作が電子メールアドレスか携帯電話番号だけならどれだけ簡単で安心か。米銀業界では、今は同じ銀行内もしくは提携銀行間の友人の口座でなら、これが可能となった銀行が増えつつあるが、ただそれが、全銀行間の話になると、途端に古い世界に引き戻される。
ここにフィンテック・サービスと銀行業界のサービス格差が鮮明になる。フィンテック・サービスは、すべての人を対象に個人を特定できる情報(ID)、しかも本人をイメージしやすい電子メールアドレスか携帯電話番号を使い、操作が簡単。これが銀行サービスになるや、ただでさえ覚えられない口座番号、銀行名、口座名義人名まで要求される。
・・・続きは紙面に掲載
友人にモバイル・バンキングから送金する時、要求される操作が電子メールアドレスか携帯電話番号だけならどれだけ簡単で安心か。米銀業界では、今は同じ銀行内もしくは提携銀行間の友人の口座でなら、これが可能となった銀行が増えつつあるが、ただそれが、全銀行間の話になると、途端に古い世界に引き戻される。
ここにフィンテック・サービスと銀行業界のサービス格差が鮮明になる。フィンテック・サービスは、すべての人を対象に個人を特定できる情報(ID)、しかも本人をイメージしやすい電子メールアドレスか携帯電話番号を使い、操作が簡単。これが銀行サービスになるや、ただでさえ覚えられない口座番号、銀行名、口座名義人名まで要求される。
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【171】2017年3月20日付 フィンテック最新事情㊺
最前線は「チャットボットで‼」
今年の米銀リテール・バンキングの展望を「AI+24/7=2017」の方程式で紹介したように(本稿162号)、AIに関連した次のようなニュースが目にとまる。
昨年11月に「チャットボットはフィナンシャル・アドバイスの将来像か?」、12月に「フィナンシャル・サービスでのチャットボットの役割が増えてきた」、この1月には「多くの銀行はチャットボットに楽観的である」と報道されている。顧客サービスのデジタルチャネルにチャットボットがデビューし、急ピッチに開発競争が繰り広げられているとの印象が強い。
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は「アシスタント嬢〝エリカちゃん〟が年内に登場する予定だ」と発表した(本稿163号)。このエリカ嬢(チャットボット)は、AIの最高技術で武装したロボットだ。顧客の目の前に現れるのではなく、スマホからエリカ嬢の声が聞こえてくるので、顧客は行員に話しかけるのと同じ感覚で会話できる。別名は、ボイスバンキングともいわれる。
・・・続きは紙面に掲載
昨年11月に「チャットボットはフィナンシャル・アドバイスの将来像か?」、12月に「フィナンシャル・サービスでのチャットボットの役割が増えてきた」、この1月には「多くの銀行はチャットボットに楽観的である」と報道されている。顧客サービスのデジタルチャネルにチャットボットがデビューし、急ピッチに開発競争が繰り広げられているとの印象が強い。
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)は「アシスタント嬢〝エリカちゃん〟が年内に登場する予定だ」と発表した(本稿163号)。このエリカ嬢(チャットボット)は、AIの最高技術で武装したロボットだ。顧客の目の前に現れるのではなく、スマホからエリカ嬢の声が聞こえてくるので、顧客は行員に話しかけるのと同じ感覚で会話できる。別名は、ボイスバンキングともいわれる。
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【170】2017年3月13日付 バンクビジネス最新事情⑧
60もの「無人店舗」は時代の流れか
「バンカメ(バンク・オブ・アメリカ)は行員の全くいない店を3カ所開設した」(ロイター2月7日)。このニュースは、デジタルバンクの進展によりモバイルバンキングのユーザーが急増し、顧客の支店離れが進む中での「新たな支店戦略」が現実味を帯びてきたとの印象を与える。
バンカメはこの無人店舗を次のように説明している。
「支店のサイズは、従来の4分の1。今回はミネアポリスとデンバーに完全無人化店舗を開設した。この地域はバンカメにとって比較的に新しいマーケット。来年にかけ、同じコンセプトの店を50~60カ所設置する。しかし他のマーケットでは支店を閉鎖するので、差し引き店舗は増えない。今の銀行の方針は、支店も行員も増やさないことだ。2010年の5900店から、15年に4726店、16年には4579店まで少なくなっている」。
この無人化店舗についての多くの解説の中では、次の指摘が注目された。
・・・続きは紙面に掲載
バンカメはこの無人店舗を次のように説明している。
「支店のサイズは、従来の4分の1。今回はミネアポリスとデンバーに完全無人化店舗を開設した。この地域はバンカメにとって比較的に新しいマーケット。来年にかけ、同じコンセプトの店を50~60カ所設置する。しかし他のマーケットでは支店を閉鎖するので、差し引き店舗は増えない。今の銀行の方針は、支店も行員も増やさないことだ。2010年の5900店から、15年に4726店、16年には4579店まで少なくなっている」。
この無人化店舗についての多くの解説の中では、次の指摘が注目された。
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【169】2017年3月6日付 フィンテック最新事情㊹
米・英は急減、アジア急増 ベンチャー投資
2016年のフィンテック投資について2月に入り3つの分析レポートが発表された。それぞれデータが多少異なるが、分析に特徴があり概要を紹介する。
最初に、英国のフィンテック協会(Innovate Finance)が2月7日に「全世界のベンチャー・キャピタルのフィンテック投資は16年に10.9%増の174億㌦、ただし英国のフィンテック投資は33.7%減少した」と発表。英国へ投資が15年の12億㌦から7.83億㌦と33.7%も減少した理由を次のように説明した。
EU離脱問題でフィンテック各社が英国、とくにフィンテックの聖地とされたロンドン所在では、EUを1つのマーケットにビジネスができなくなると投資家が消極的になった。ただ英国への投資は、国別のフィンテック投資規模で中国、米国に次ぐ3位に位置する。英国から逃げ出した分が、リージョナル・フィンテックハブとしてアイルランドに540%増の5億2400万㌦と国別4位、ドイツも360%増の3億4800万㌦で5位と躍進した。
最初に、英国のフィンテック協会(Innovate Finance)が2月7日に「全世界のベンチャー・キャピタルのフィンテック投資は16年に10.9%増の174億㌦、ただし英国のフィンテック投資は33.7%減少した」と発表。英国へ投資が15年の12億㌦から7.83億㌦と33.7%も減少した理由を次のように説明した。
EU離脱問題でフィンテック各社が英国、とくにフィンテックの聖地とされたロンドン所在では、EUを1つのマーケットにビジネスができなくなると投資家が消極的になった。ただ英国への投資は、国別のフィンテック投資規模で中国、米国に次ぐ3位に位置する。英国から逃げ出した分が、リージョナル・フィンテックハブとしてアイルランドに540%増の5億2400万㌦と国別4位、ドイツも360%増の3億4800万㌦で5位と躍進した。
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