2017年2月6日
2017年2月6日付 第2920号
1面
フィンテック法制 「膨大な詳細」固まる 金融庁
一挙に〝本業緩和〞へ 「財産的基礎」は最小限にとどめ
金融庁が今国会に提出を予定している「2016年銀行法改正に伴う政府令・告示案」の概要が明らかになった。法改正の中心は①IT進展に伴う技術革新への対応(フィンテックの認可基準)が主柱②金融グループの経営管理義務の充実③共通・重複業務の集約などを通じた金融仲介機能の強化④仮想通貨への対応を4本柱にした。「技術革新」には、デビッドカードを活用した小売店レジなどで現金を受けとれる「キャッシュアウトサービス」や、ビットコインに対応する「電子記録債権」の規定も入れた。金融機関の従属業務のうち「ATM保守点検」「他事業者の事務計算」「現金輸送・集配業務」は大きな規制緩和となり、重複業務には「コールセンター業務」を入れるなど本邦初の幅広いIT法制になった。
2面(総合)
東大大学院ソーシャルICT研究センター
次世代は「ライフスタイル認証」 3月末まで実証実験
東京大学大学院情報理工学系研究科ソーシャルICT研究センターが3月末まで、IDとパスワードを必要としない次世代認証技術「ライフスタイル認証」の実証実験を5万人規模で実施している。民間企業も協力する。副センター長の中田登志之教授は「目指すのは利用者利便と安全性の両立」と語る。
3面(地域総合)
製造業の技術 農水業に 岐阜信金
生産性向上へノウハウ紹介
有機的連携を始動
【名古屋】岐阜信用金庫(岐阜市)が農林漁業者と商工業者とをつなぐサポートに乗り出した。同信金が地盤とする岐阜県で主要産業の農林水産業の活性化を図るためには、農林漁業者のニーズと商工業者のシーズをマッチングさせた有機的な連携が重要と判断。まずは両業者に「気づき」を与えるセミナーと見学会の開催で始動した。行政機関や政府系金融機関などと連携して活性化に寄与していきたい考えだ。
4面(大手行・証券・保険)
銀行・信託でトップ交代 みずほFG
銀・信・証の一体運営推進へ
銀・信・証の一体運営推進へ
みずほ銀 頭取に藤原 弘治 氏
みずほ信託銀 社長に飯盛 徹夫 氏
みずほ信託銀 社長に飯盛 徹夫 氏
みずほフィナンシャルグループ(FG)は1月31日、銀行、信託の首脳人事を発表した。4月1日付でみずほ銀行の頭取に藤原弘治取締役兼執行役常務が、みずほ信託銀行の社長には飯盛徹夫常務執行役員が就任する。世界の金融資本市場でいかに存在感を発揮できるか。銀・信・証の一体運営の推進、生産性の向上も引き続き課題となる。
5面(ノンバンク・ICT)
住宅ローン 信用力を自動診断 MFS
借入可能額を把握 金融―不動産 連携のハブに
住宅ローン関連のフィンテック企業MFS(東京・新宿)は1月25日、自らの信用力をPCやスマートフォンで定量評価できる仕組みを整えた。住宅購入検討時に、借入可能な金額を把握した上で物件が選べ、購入プロセスが効率化する。全国の銀行から最適な借り換え先を見つけるサービスから始動した同社だが今回、不動産関連事業者とも連携する。
6面(地銀)
都市型地銀で連携 大阪圏と東京圏つなぐ
東京TY・池田泉州HD
M&Aサポートも専門チームで
東京TYフィナンシャルグループと池田泉州ホールディングスは1月27日、取引先中小企業の事業支援強化を狙いに業務連携協定を結んだ。池田泉州HDと傘下の池田泉州銀行は東京TYフィナンシャルグループと傘下の東京都民銀行、八千代銀行、新銀行東京の3地銀との間で連携活動を進める。
7面(信金・信組)
単身高齢者にウェアラブル端末 枚方信金
認知症の危険察知 関西医大と健康サービス
【大阪】枚方信用金庫(大阪府枚方市)が関西医科大学と組んで地域の単身高齢者向けに健康サービスを始める。ウェアラブル端末を介して認知症の危険性を察知、都会で暮らす子どもに知らせる。住宅の売却やリノベーションを提案、そこに若年層子育て世帯を呼びこむ「近居・住み替え促進事業(巡リズム)」を後押しする。地域企業を巻き込んだコンソーシアムに発展させる計画もある。
8面(文化)
【Runner】 大阪シティ信金
ベンチマーク視野に入れDBづくり 〝成長の兆し〟を発見
職員の「感性」も判断材料に
大阪シティ信用金庫(本店=大阪市)は現在、基盤拡大を目的に、取引先などのデータベース(DB)を活用した取り組みを行っている。ベンチマークを内包したDBを通じ独自情報を確立させるとともに、企業支援部では「先読み力」「考える力」「伝える力」の一連の能力を養うためのプロジェクトを検討している。