2017年1月16日
2017年1月16付 第2917号
1面
新信用保証 積極活用の動き
「責任共有制度」2割負担で存続決定 財務局の役割がカギ
事業再評価、「短コロ」で〝枠〟空け
中小企業庁は2016年12月20日に中小企業審議会を開き、信用保証協会の今後のあり方について基本方針となる「信用補完制度の確立に向けて」報告書をまとめた。議論の焦点だった信用保証協会と金融機関との「責任共有制度」は「原則8対2のリスク分担のまま存続」することが確定した。このため信用金庫や信用組合では新たな信用保証は「リスクオン融資に利用しやすくなった」と再評価する動きがある。
2面(総合)
【新春インタビュー】 あおぞら地域総研 穂刈 俊彦 社長
短期的収益追求せず
施策の効果測定必要 旧来型は地方創生阻害
安倍晋三首相の肝入りで始まった地方創生。2017年はその実効性が問われる年となる。自治体の実行計画策定を支援してきた地域金融機関においても、高齢化に伴う人口減や地域経済の縮小は死活問題。今後は実行に向けた関与のほどが問われる。地方創生の推進には何が必要か。あおぞら地域総研の穂刈俊彦社長に聞いた。
3面(地域総合)
【新春インタビュー】 FPG証券 深谷 幸司 社長
トランプ就任後も不透明
米経済に減速の兆候 長期金利、ドル高で逆風
2017年ほど不透明感が漂う年初は珍しい。20日に大統領就任を控えるトランプ次期米大統領の経済政策が現時点で明らかでないことが主因だ。これまでの大統領と異なり、SNSを駆使して直接訴えかえる過激な発言は一貫性を欠き、それが市場に手がかりの材料を与える。足元はトランプ氏による強い米国を連想させる発言が年末からの急激な現状の円安・株高相場を演出したが、20日を境に市場はどう動くか。専門家に意見を聞いた。
4面(大手行・証券・保険)
【新春インタビュー】 チューリッヒ保険・企業保険事業本部 大谷 和久 副事業本部長
問われるガバナンス
代理店に研修制度 海外含めコントロール
規模を問わず海外進出企業が増える中で、海外拠点関連の保険は「現地任せ」も多い。だが、2015年の会社法改正では海外子会社も含めたガバナンスが問われリスクマネジメントが必要だ。チューリッヒ保険の大谷和久・副事業本部長は「地方銀行の顧客も海外展開に積極的。海外子会社を包括した保険提案が求められる」という。
5面(ノンバンク・ICT)
【新春インタビュー】 Jトラスト 藤澤 信義 社長
総合金融グループへ
東南アジアベースに加速 M&Aも再開
韓国を皮切りに、今では東南アジア全域を視野に入れるまでに成長したJトラスト。2017年の今年は、まさに「飛躍の年」と位置づける。この数年で、ASEAN諸国での事業展開に備えた地ならしをほぼ終えた。今後はM&Aを再開し、短期期間で商業銀行を核とする総合金融グループ化に向けた動きを本格化する。グループを率いるJトラストの藤澤信義社長も、今年から東南アジアをベースにした事業展開を加速していく考えを公言している。その藤澤社長から話を聞いた。
6面(地域金融)
【新春インタビュー】 京銀証券準備会社 豊部 克之 社長
銀行の店舗網活かす
独自サービス展開 3年後預かり資産1500億円
5月半ばにも京都銀行の証券子会社が開業する。地銀による全額出資の証券子会社は近畿地区では初めて。金利の低下により証券投資に対するニーズも高まっている。そのような中、京銀証券準備会社の豊部克之社長に戦略や展望を聞いた。
7面(地域金融)
城南・大垣西濃・奈良中央
3信金がスクラム 地域枠超え〝協力の輪〞拡大
城南信用金庫(本店=東京都品川区)、大垣西濃信用金庫(同=岐阜県大垣市)、奈良中央信用金庫(同=奈良市)は2016年12月19日、営業地域を超えた業務提携に関する協定を締結した。営業区域が限られている信金が広域で提携することで、これまで得られなかった各種情報の提供や取引先の販路拡大などマッチングを促進するのが狙い。観光資源などの情報交換のほか、職員の人事交流も図ることで連携を強めていく考えだ。
8面(文化)
【Runner】 十六銀行
6次産業化、好循環の原動力に 地域「素材」生かす仲介役に期待
業態超え金融機関と連携
【名古屋】地方創生を図る、岐阜・愛知両県を主要な地盤とする十六銀行の取り組み範囲は広く実に多彩だ。農業分野の振興はその重要な一角を占める。だが乗り越えていくハードルが高いだけに、自前の施策はもちろん、全国の地銀間でスクラムを組むほか、業態の枠を超えた金融機関との連携にまで及ぶ。地域経済に好循環を生み出す一つの原動力にしようと熱が入る。