2016年12月12日
2016年12月12付 第2915号
1面
自民税制大綱
課税所得15億円以下 中小企業、初の線引き
担税力で判断 〝実質大企業〟と二分
自民党税制調査会小委員会は6日に「税制大綱とりまとめ」に向けた議論を行い、租税特別措置(租特)が適用されている「中小企業の定義」を見直し、この租特適用を受けるための要件に「課税所得15億円以下であること」を税制大綱に盛り込むことになった。「15億円は、資本金1億円超の大企業並みの平均所得。1億円以下の中小企業の平均所得1600万円のほぼ100倍に当たる」と説明。会計検査院の意見表示(2010年10月26日)を根拠にした。担税力を根拠に中小企業の定義を初めて二分した判断に踏み込み、画期的なこととみられる。
2面(総合)
証券業務を強化へ 京都銀
子会社 滋賀に新拠点
子会社 滋賀に新拠点
【大阪】京都銀行が証券業務の強化に乗り出す。来年5月に開業を目指している証券子会社の新拠点を滋賀県に設けることを明らかにした。県外1号店になる。低金利で預金の魅力が薄まる中、リスク商品を供給することで富裕層を取り込む作戦だ。
3面(地域総合)
電子地域通貨 来夏実用化へ
飛騨信組 「ビッグデータ融資」も視野 金融機関、自治体へ提供も
【名古屋】地域金融機関で電子決済サービスに注目が集まっている。飛騨信用組合(本店=岐阜県高山市)はスマートフォンアプリを活用した独自の電子地域通貨の開発に入った。現金でコインをチャージし、加盟店での支払いをキャッシュレス化する。同通貨を導入するのは金融機関で初めて。地域住民や訪日外国人を対象に来夏の実用化を目指す。静岡銀行は富士市で電子クーポン事業の実証実験を始めた。飛騨信組は、構築した電子地域通貨プラットフォームを他の金融機関や地方自治体などへ提供を開始する予定。静岡銀も他地域への展開を視野に入れる。
4面(大手行・証券・保険)
「質にこだわるマッチング」 三井住友銀
初の地域限定に7社 提案側企業 金融機関と連携も
三井住友銀行は2日、「地域活性化マッチング」を開催した。北海道、東北、新潟県内の地域に根差した「提案募集企業」7社が1日かけて97件の商談に臨んだ。地域限定商談会は初の試みで、地元企業のさらなる飛躍で各地域の地域活性化につなげることが狙い。提案側企業は九州や関西など幅広く、秋田銀行からの紹介企業が提案会社として参加するなど地域金融機関との連携も図る。
5面(ノンバンク・ICT)
オリコ/女性管理職
ネットワークで横の連携強化 次世代へ「ロールモデル」を
ネットワークで横の連携強化 次世代へ「ロールモデル」を
オリエントコーポレーションの「オリコウィメンズネットワーク」が今月から本格始動している。新設のダイバーシティ推進室の活動の一環で、女性の営業店課長を対象に所属する組織の枠を超えて、気軽に相談し課題を解決しあえるネットワーク作りを目指す。まずは1年間をかけて大阪地域の女性管理職10人程度が定期的な会合を持ちモデルケースとする。それをブラッシュアップし順次、他地域へ展開していく。ネットワークの活動内容を積極的に全社に訴求して「次世代」につなげたい思いもある。女性活躍推進にとどまらない多様性への理解も促す。
6面(地銀)
「保育料補助制度」を導入 京葉銀
仕事と育児を両立 来年4月から 病児・病後児は全額
京葉銀行は仕事と育児の両立を支援するため来年4月から「保育料補助制度」を導入する。育児休業者などが増加傾向にあるため、経済的負担をサポートすることで休業期間の短縮と復帰後のキャリアアップを後押しするのが狙いだ。
7面(信金・信組)
新本店がオープン 川口信金
防災、エコでも地域貢献
川口信用金庫の新本店(埼玉県川口市栄町3-9-3)が5日、グランドオープンした。延床面積7466平方㍍、地上10階建ての新ビルは、免震構造で省エネ対策も施されている。同信金は、川口市の新しいランドマークとなった新本店ビルを地域活性化のシンボルとし、来る100周年に向けて新たな一歩を歩み始める。
8面(文化)
【Runner】 兵庫県信用保証協会
元気印の3人娘が後押し 「女性企業家支援チーム」出動中
雑貨店や猫カフェの創業案件発掘
全国に51カ所あり、民間金融機関と組み信用保証を通じて中小企業・小規模事業者の資金円滑化を支える公的機関。敷居が高く、近寄りがたいイメージがついて回る信用保証協会だが、決してそんなことはない。地元企業が元気にものを作り、サービス活動を継続することが地域活性化には欠かせない。立場は違うが銀行や商工会・商工会議所などと思いは一緒。ここ兵庫県信用保証協会では「女性企業家支援チーム」を立ち上げ、女性職員による女性経営者のための支援に力を入れている。