12月
【161】2016年12月12日付 フィンテック最新事情㊷
ブロックチェーン・レース
サンタンデール銀行(スペイン)が2015年6月に発表した「Fintech投資の方向性」(本稿15年8月31日)では「フィンテック2・0は、金融サービス業界のコアである基盤システムやプロセスを根本から変える変化を引き起こすことが求められる」と指摘。ブロックチェーン(分散型元帳処理技術)の実用化によって大幅なコスト削減が期待されると述べていた。
ブロックチェーンを基盤にしたプロセスには、自行内システムへの適用もあるが、業界内での金融取引・決済へ適用する事でより大きなコスト削減効果が想定されている。このため世界中の大手銀行は数ある適用アプリの開発や実証実験の複数のプロジェクトに名を連ねる。このブロックチェーンはまだ、実証フェーズの段階ながら、実用フェーズ(次の段階)における標準化や知財権をにらみ、競争が繰り広げられている。最近、次のようなニュースが目に留まる。
「欧州の銀行では、ブロックチェーン・レースに遅れを取った危険がある」(ロイター10月19日)と、特許取得数の差で、大西洋の両岸の大手行の取り組み状況の違いを表現した。
ブロックチェーンを基盤にしたプロセスには、自行内システムへの適用もあるが、業界内での金融取引・決済へ適用する事でより大きなコスト削減効果が想定されている。このため世界中の大手銀行は数ある適用アプリの開発や実証実験の複数のプロジェクトに名を連ねる。このブロックチェーンはまだ、実証フェーズの段階ながら、実用フェーズ(次の段階)における標準化や知財権をにらみ、競争が繰り広げられている。最近、次のようなニュースが目に留まる。
「欧州の銀行では、ブロックチェーン・レースに遅れを取った危険がある」(ロイター10月19日)と、特許取得数の差で、大西洋の両岸の大手行の取り組み状況の違いを表現した。
・・・続きは紙面に掲載
【160】2016年12月5日付 フィンテック最新事情㊶
英国から逃げ出すフィンテック
投票の世論調査がいかにあてにならないか、英国と米国の「結果」がこれを示すことになった。予想の外れた「国民の意思」によって国の方向が変わった。前号(158号)では、米国の大統領選の結果から、早々とFintech側の影響を紹介したが、まだトランプ氏が大統領に当選したばかりで不確定な要素が多い。
しかし英国のEU離脱については、本格的なEUとの交渉はまだながらも、すでに5カ月がたち、Fintech産業への投資に影響が出てきている。この現状をフィナンシャルタイムズ紙(11月16日付け)が次のように伝えた。
「EU離脱投票後すぐに投資家は、Fintechスタートアップへの投資を中止または引き延ばしをして、資金を引き揚げ始めている。その結果、Fintechはキャッシュフローの危機に直面した」。英国でFintechへの起業支援をしている「InnovateFinance」は「250ものスタートアップを抱える。すでにその中の30社に資金繰りで問題が起き、他のVC(ベンチャー・キャピタル)や個人投資家につなぐ」応急処置をとっている。
しかし英国のEU離脱については、本格的なEUとの交渉はまだながらも、すでに5カ月がたち、Fintech産業への投資に影響が出てきている。この現状をフィナンシャルタイムズ紙(11月16日付け)が次のように伝えた。
「EU離脱投票後すぐに投資家は、Fintechスタートアップへの投資を中止または引き延ばしをして、資金を引き揚げ始めている。その結果、Fintechはキャッシュフローの危機に直面した」。英国でFintechへの起業支援をしている「InnovateFinance」は「250ものスタートアップを抱える。すでにその中の30社に資金繰りで問題が起き、他のVC(ベンチャー・キャピタル)や個人投資家につなぐ」応急処置をとっている。
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