2016年11月28日
2016年11月28日付 第2913号
1面
「休眠預金法」実現へ 衆院、全会一致で可決
トランプ政権誕生も影響
衆議院財務金融委員会は18日の会合で「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用法案」を全会一致で可決、22日の本会議で可決し参院に送った。参院では会期が残されていることから「休眠預金」法案は成立するとみられる。
2面(総合)
事業性評価にICT活用 北陸銀
経営助言に継続性担保
【名古屋】北陸銀行は情報通信技術(ICT)を活用して、事業性評価の精度を高める。企業の財務情報と定性情報を統合的に可視化するコンサルティングシートを使って解決策を提案、取引先の成長や経営改善につなげる。企業の事業内容、将来性に基づく融資や経営助言といった取り組みは、地方創生に注力していくうえで中核施策となる。同行はICTの利点を生かして、事業性評価への推進の幅を広げる。
3面(地域総合)
寄付型ローンの販売開始 京都銀
「地域創生」の応援 実感して
【大阪】京都銀行は、京都府の地域創生の実現に向けた金融面からの取り組みとして、22日から「京銀寄付型ローン」の取り扱いを開始した。金利収入の一部を府の地域創生事業へ寄付する。ローン利用者(事業者)はあらかじめ寄付先を決めたうえで借り入れる。全国初のローンで、2017年3月末まで、期間限定で取り扱う。
4面(大手行・証券・保険)
主要損保2016年4~9月期決算
当期利益、全社で増収 自然災害減少、自動車保険収支改善
主要損保の2016年4〜9月期の決算が18日に出揃った。自動車保険の収支改善や自然災害の保険金支払いが減少したことで全社ともに最終増益を確保した。「本業」の改善が顕著だが、第二の柱の火災保険で昨年の反動があり正味収入保険料は軒並み減少した。
5面(ノンバンク・ICT)
リボ、保証業績の柱に 信販・カード 消費者金融
高い収益性の丸井 ウェブ完結型で効率化支援
融資や割賦などで個人を相手にファイナンスを提供する信販・クレジットカード、消費者金融の業績が好調に推移している。クレジットカードでは収益源のショッピングリボルビング払いの利用拡大により手数料収益が増加し、収益の柱に成長。金融機関向けの個人ローン保証も金融機関の推進強化の追い風に、残高が増えている。業態を問わず成長の恩恵を受けているのも特徴だ。
6面(地銀)
年間100時間が軽減 池田泉州銀
ペーパーレス化来年は保険商品も
ペーパーレス化来年は保険商品も
【大阪】池田泉州銀行は全国の銀行では初めて、投資信託販売でのペーパーレス化を始めた。タブレット端末を使用し電子サインとテレビ電話により資金決済までのフローを電子化した。システム導入費用は1億2000万円。NTTデータと共同開発し今後はパッケージ化し金融機関に販売する。
7面(信金・信組)
「地産都消プロジェクト」始動
東京東信金と気仙沼信金 都内で「メカジキ」試食会
東京東信用金庫(本店=東京都墨田区)は東京海洋大学と気仙沼信用金庫(宮城県気仙沼市)と連携協定を結び、東京の飲食店と気仙沼の水産関係者との「地産都消プロジェクト」を開始。17日に気仙沼メカジキの試食会を実施した。全国で一番の水揚げ量となっている気仙沼メカジキの知名度向上、ブランド化をどうするか意見交換を行った。
8面(文化)
【Runner】 住友生命
「企業の中長期的な価値向上」に スチュワードシップ活動
「スミセイ版対話スタイル」構築
生命保険会社や年金資金運用法人といった機関投資家の行動原則、いわゆる日本版スチュワードシップ・コードが示されてからほぼ3年が経過した。利害関係者(ステークホルダー)による企業統制や監視の仕組みを示すコーポレート・ガバナンスへの取り組み強化を狙い、「物言わぬ株主」からの脱却で企業の持続的な成長を後押しすることが求められた。投資家責任を果たすための行動指針や管理すべき利益相反などを明確にして公表すること、株主総会に提出される経営方針(議案)への賛否を表明する際の方針など7つの原則が示され、「責任ある機関投資家」として企業の持続的成長を促そうというもの。大手生保の住友生命は投資先企業との「対話の質」を充実させ、投資先企業の価値向上につなげている。形式的ではない「投資家としての思い」を伝えることを重視。日本版スチュワードシップ・コードのひとつのモデルになってきている。