2016年11月21日
2016年11月21日付 第2912号
1面
金融庁■ベンチマーク運用を説明
「短コロ」むしろ評価 自己診断の定着、先行を
地域の競争と協調に着目
金融庁からの金融業界へのベンチマーク運用説明会が行われ、金融監督行政が一挙に方向転換した具体的内容が明らかとなった。金融庁では11月1日から金融検査の着手先を「立ち入り検査の有無に関わらず、すべての金融機関について常時情報を収集することが望ましい。このため従来の金融検査で行っていた金融機関名の公表を廃止した」と発表。金融行政が金融検査の「破綻懸念先」の認定から、企業支援に方向を転回させた。今後、行政は「地域金融機関との対話」が軸になるが、「対話のやり方は(ベンチマークの定着を見ながら)これから検討する」という。地域銀行は2015年度分の企業支援実績から、信金・信組には16年度分から数値カウントが始まる。
2面(総合)
広がるLGBT対応
社内支援から商品の開発まで
社内支援から商品の開発まで
セクシャルマイノリティー(LGBT)を意識した金融機関の商品やサービスが広がっている。ダイバーシティで先行する外資系金融機関だけでなく、国内の金融機関でも社内的な制度を整えるだけでなく、消費者のLGBTを意識して同性婚のパートナーも「配偶者」と定義する商品の開発が進んでいる。
3面(地域総合)
岐阜信金
知財金融 組織的に 「事業性評価そのもの」
【名古屋】岐阜信用金庫(本店=岐阜市)は知的財産金融の推進を軌道に乗せ始めた。同信金は特許庁が実施する支援事業の2016年度の公募採択を受けて、知的財産権を主軸としたきめ細かな定性評価を盛り込んだ評価書を参考に、取引先企業の本業支援を組織的に展開。このほど岐阜県で初めてとなる融資実績を残した。同信金の成長戦略部は知財金融を「取引先企業とのリレーションを一層強固にする事業性評価への取り組みそのものだ」と指摘する。
4面(大手行・証券・保険)
大手銀、5グループで減益 16年4~9月期
マイナス金利響く 収益構造の改革急ぐ
大手銀行7グループの2016年4〜9月期連結決算は、5グループで減益を余儀なくされた。日銀のマイナス金利政策の導入に伴い貸出金利に低下圧力が加わり、利ザヤが縮小。各グループでは、海外事業や手数料ビジネスの拡充などで新たな収益基盤の開拓や事業構造改革に取り組む。17年3月期連結予想も5行が減益を予想と厳しい状況が続くとみている。
5面(ノンバンク・ICT)
J&Jギフト ギフティ
「電子」地域通貨で活性化 利便性向上、コスト削減両立
観光客が長崎県の離島で使えるプレミアム付き商品券「しまとく通貨」が電子通貨として今月から発行された。3年間、紙券で販売されてきたが、ジェーシービーの関連会社J&Jギフトと法人向けにギフト販売システムを提供するgiftee(東京・品川=ギフティ)が共同展開するスキームを活用して電子化、利用者の利便性向上とコスト削減を両立した。
6面(地銀・信金・信組)
横浜銀 「土日BANK」「10年後ビジョン」
新プロジェクト始動
横浜銀行は新プロジェクトを開始すると11日に発表した。土曜日と日曜日に営業する「土日BANK」と神奈川県内を地域の特性に応じて推進する「10年後プロジェクト」だ。地域の持続的な発展、顧客との接点拡大とサービス拡充に取り組み顧客に選ばれる銀行をめざす。
7面(特集)
【近畿地区信金特集】
地域経済の担い手育てる 信金の起業 創業支援
総務省によると国内の中小企業・小規模事業者数は380.99万者(2014年7月現在、平成26年経済センサス―基礎調査)に上っている。減少幅は鈍っているといっても、この3年間で4.4万者が姿を消した計算だ。事業所には従業員や売り上げがついて回る。その減少は地方の衰退を意味する。国が旗振る地方創生を解決するにおいて起業や創業、第2創業は欠かせないテーマであり、ソーシャルビジネスは地域課題を解決する担い手としてなくてはならない存在になっている。そこで地域経済を支える信用金庫がどのような取り組みをしているか。近畿地区信用金庫の様子を探った。
京都信金 目を引く独自規格・活動
京都中央信金 第二創業スクールで応援
大阪信金 ファンド2年で2億円突破
枚方信金 「アシスト」軸に祝い金も
日新信金 じわり広がる支援認知度
神戸信金 独自ネットワークで橋渡し
8面(文化)
【Runner】 日本政策金融公庫
1億総活躍社会を目指して 女性起業家やソーシャルビジネスを応援
融資の活用方法 事例集に
女性起業家数が顕著な伸びを示している。日本政策金融公庫(日本公庫)の近畿地区(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)がまとめた創業融資実績は2013年以降、男女別の企業数でみると女性は1000人規模となり、全体の2割に達した。16年度は上半期だけで676件となった。また女性の支援とともに日本公庫ではソーシャルビジネス関連融資にも積極対応し、融資実績は5051件・351億円と過去最高を記録した。近畿地区による女性応援と公庫全体のソーシャルビジネスをまとめた。