2016年10月3日
2016年10月3日付 第2906号
1面
金融庁■「ベンチマーク定義」公表
詳細過ぎる内容に騒然
「保証協会の悪用」認めず 金融界要望は〝黙殺〟
金融庁は9月26日、金融業界に「ベンチマークの定義」を公開、金融機関にこの「定義」を報告の目安にするよう求めた。定義された内容は金融機関側の予想を越える詳細なものとなり、一時的に金融業界は騒然となった。
2面(総合)
日本郵政 長門社長
手数料 「聖域なく上げたい」
長期金利上昇で再度国債投資も 「運用高度化、強化」は継続
日本郵政の長門正貢社長は9月23日の定例会見で収益が厳しいゆうちょ銀行について問われ、「手数料を聖域なく、可能な範囲で上げたい」と述べた。また、日銀の金融政策については「前人未到の取り組みで、大変なチャレンジ」と話した。長期金利が上昇すれば国債の買い入れをする可能性はあるものの、ゆうちょ銀とかんぽ生命の運用については高度化、多様化を継続する方針を示した。
3面(地域総合)
中部しんきんカード 地域カード事業に進入
東海4県で信金独自カードも検討
東海4県で信金独自カードも検討
中部しんきんカード(名古屋市)は東海4県で地域カード事業に乗り出す。1日から支払い方法が異なる電子マネー機能を搭載したカード「CHUBUCA」(チュブカ)の募集を始めた。地方の人口減に伴い、コンビニエンスストアが高齢者の買い物難民を救う社会インフラとしての役割に注目が集まっている。チュブカでは流通系の電子マネーを搭載することで、高齢者の日常の買い物を支援する。
4面(大手行・証券・保険)
標準利率0.25%「ほぼ確実」
アクサダイレクト生命が影響解説 引き下げで商品見直しへ
2017年4月に予定される「標準利率」の引き下げが保険会社に与える影響についてインターネット生保のアクサダイレクト生命がメディア向けに解説した。標準利率は10年国債の平均利回りを基準に決定され、その低下で収益性が極端に悪化する商品が出ることが考えられる。保険各社は来年4月に向け、さらに商品見直しを迫られそうだ。18年から20年にかけては「標準生命表」の改定が予定されている。
5面(ノンバンク・ICT)
金融・サービス企業へ舵
東京センチュリーリース 今月、社名変更
東京センチュリーリース 今月、社名変更
リース大手の東京センチュリーリースが、「金融・サービス企業」への転換にむけて舵を切る。市場の飽和や低金利環境下における金融他業態との競争激化により、本業のリース事業の収益性の低下を補えるよう、近年は主力のリース事業の多角化や不動産、海外展開の強化などを推進しており、事業分散に伴う収益基盤の強化も進んでいる。社名変更でこの方向性を印象づけ、成長に弾みをつける。
6面(地銀)
空き家対策に本腰
支援機構やNPOとの連携
支援機構やNPOとの連携
地域銀行は解体ローンの取り扱いや、自治体と連携し支援制度を広めるなど空き家対策に本腰を入れている。税制面や法整備が進み各自治体は対策を強化。地域銀も金融面で支援しようと自治体と協力し空き家補助金受給者に貸出金利を優遇するほか、リバースモーゲージで金利キャンペーンも実施している。資金需要や相続者の負担軽減など空き家対策は一層拡大しそうだ。
7面(信金・信組)
川崎信金■中小企業のIT利活用意向調査
フィンテック「知らない」半数近く
「わからない」「利用したくない」が8割
川崎信用金庫(本店=神奈川県川崎市)はこのほど、市内に営業拠店を置く中小企業676社を対象に金融サービスにおけるIT利活用についての調査を行った。その結果、フィンテックについては認知度が低く「知らない」が半数近くを占め、利用意向についても「わからない」「利用したくない」が8割を占めていることがわかった。
8面(文化)
【Runner】 アクサ損保
「テレマ保険」2018年に 安全運転を見える化 未来の安全創造
テクノロジーで社会が変わる
ダイレクト自動車保険のアクサ損保がテレマティクス保険、通称テレマ保険の開発に向けた動きを加速している。今年1月には「MIRAI・DRIVE・PROJECT」を始動した。まずは安全運転が皆を幸せにする、という意識醸成のためのムービーを作成し、プロジェクトサイト上で公開。子どもたちにはリスクとは何か、を考えるワークショップも開いている。プロジェクトを率いる輪島智仁・統括は「メーカーがテクノロジーをひたむきに追求するのに対し、当社のプロジェクトはテクノロジーを活用し人のスペックを最大化することに力を入れています」と強調する。