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2016年8月8日

2016年8月8日付 第2899号

1面

マイナス金利 「影」と「光」
利ざや低下「副作用」先行か
 4~6月期決算が裏付け 混乱収め対話必要
 
 日銀が1月末に「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の導入を決め、2月から適用を開始して約半年が経った。その名の通り、量・質にマイナス金利を加えた3つの次元の緩和手段を駆使して、2017年度中に2%の物価安定の目標に達する狙いがある。マイナス金利で民間金融機関のポートフォリオ・リバランスが促進され、家計・企業の借り入れ需要の変化が期待できると踏んでいた。でも、どうも様子が違う。金融機関の収益は振るわず、資金需要は全体的には限定的な高まりにとどまっている。マイナス金利政策の導入により現状映し出される「影」と「光」とは何か。 (関連記事2・3面)

2・3面(特集)マイナス金利

安全資産からシフト 経営は異次元のステージに
 有価証券 方針見直しも
 
 今年2月に日本銀行によるマイナス金利政策が始まってから、金融機関の経営は異次元のステージに突入した。主力の融資は、中小企業向けを中心に貸出額こそ伸びているが、金利の低下で利息収入は伸び悩む。アベノミクス相場による市場の活況もあり、増益を支えてきた有価証券運用についても、国債に依存した保守的な運用方針から多様化への見直しを迫られている。
 
  第一生命Gの運用も活用 かんぽ生命
  オルタナティブ投資拡大 ゆうちょ銀
  「再購入、もうできない」 国債の地位 相対的に低下
  高い利回り求める傾向
  証券化商品など 信用リスクにも積極策

4・5面(特集)ダイバーシティ

顧客の多様性を受け入れる 人を認め 人に認められる社会
 
 大きな転機ともいえる1986年の男女雇用機会均等法施行から30年。この夏の都知事戦では小池百合子氏が他を大きく引き離して圧勝し、初めての女性都知事が誕生するなど女性の力が日本社会をけん引している。法律は、それまで男性のアシスタント役を担ってきた女性社員から「総合職1期生」を生んだ。女性役員の数は2015年末で約1140人と5年前の2倍。女性初の銀行トップも誕生している。専門家は「条件や立場を均等にするという原点からスタートしたが、女性の活躍が企業の業績向上につながるといった経済的な効果を生み出すことが立証されている」と説明。女性活躍推進は官民ともに成長戦略の柱と位置付けられている。女性活躍推進を契機に「多様性を認める」という文化も醸成。とくにグローバル企業ではレズビアン、ゲイ、バイセクシャル&トランスジェンダー(LGBT)といった性的マイノリティーについても「価値観を相互に尊重する」という立場で、誰しもが活躍できる職場環境づくりを目指している。
 
男女雇用機会均等法施行から30年
 入り口差別撤廃から イクボスの誕生まで
 推進の鍵はトップダウンとインフラ整備
 
野村HD 
 違い認め強み生かす グループ推進、公に宣言
 
J―Win
 女性の意識改革重要 男性管理職巻き込む
 
「わかりやすさ」を評価・表彰 UCDAアワード2016
 今年は「住宅ローン申込書類」対象地域金融機関にも波及
 
ポプラAプラス療育センター店
 知的障がい者が運営 コンビニで社会と接点
 
UD紙面調査を提供 マクビーカタガイ
 誰もがわかりやすく 約款など飛躍的改善
 
「Uni-Voice」の導入支援 小林クリエイト
 2次元バーコードで バリアフリー普及を

6面(総合)

挨拶する、みずほ銀の中西章裕・常務執行役員。その後、元LINE社長の森川亮氏(写真手前)が講演した
みずほ銀■ イノベーションフォーラム
 付加価値生む起点へ
  大企業ほど関心高く
 
 みずほ銀行が7月29日に都内のホテルで開いた「イノベーションビジネスマッチングフォーラム」には、約100社イノベーション企業と約40社の大企業が参加し、両者の関心の高さがうかがえた。同行はみずほグループの信託、証券、ベンチャーキャピタルと連携した支援の中心部署となる「イノベーション企業支援部」を4月に立ち上げ、組織面でもオープンイノベーションを後押しする体制を整えている。今回のフォーラムは大企業を相手方とした商談をセットし、新たな付加価値を生み出す起点としてもらうのが、企画した狙いだ。

7面(地域金融)

挨拶する、みずほ銀の中西章裕・常務執行役員。その後、元LINE社長の森川亮氏(写真手前)が講演した
生産性向上に助成金活用
 大阪信金 労働局と初の連携協定
 
 【大阪】大阪信用金庫(本店=大阪市)は2日、同信金本店で、金融機関では初めて大阪労働局と「働き方改革にかかる包括連携協定」を結んだ。渡嘉敷奈緒美厚生労働副大臣の出席のもと、苧谷(おたに)秀信大阪労働局長と樋野征治理事長が包括連携協定書にサインした。

8面(特集)2020東京オリンピック・パラリンピック

趣向凝らし 盛り上げる 東京2020ゴールドパートナー金融機関5社
 日本選手団を〝合同〞応援
 
 みずほFG  東京海上日動  三井住友FG  日本生命  野村HD 
  視線は4年後 「まだ序の口」
  日本経済再興の起爆剤に
 
 南米大陸で初開催となるブラジル・リオデジャネイロ五輪が5日(現地時間)開幕した。その4年後の2020年7月24日、ブラジルから見て地球の反対側にあたるここ東京を舞台に夏季五輪(パラリンピックの会期は8月25日~9月6日)が開会式を迎える。およそ半世紀ぶり2度目の東京五輪を盛り上げようと、金融機関5グループを含む「東京2020ゴールドパートナー」らの企業は、早くも趣向を凝らした取り組みで盛り上げている。
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