7月
【144】2016年7月25日付 フィンテック最新事情㉗
バンカメ「1,500の中から18%が育つ」
「2012年からITインフラの経費を削減してきた。今年は10億㌦カットする。30億㌦をFintechへの投資を含むイノベーションのために使う。イノベーションとは、それを受け入れるだけでなく、古いものを捨て去って明らかになっていた『浪費』をなくすことでもある」。
米銀大手行バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のデイビッド・ライリーCTOのインタビュー記事「バンカメがIT予算を10億㌦カット。その分Fintechに使うのか」をアメリカン・バンカー紙(6月28日付)が掲載した。
他の大手行と同様、バンカメは、より機敏で対応の早い、しかも革新的な銀行でありたいと思っている。新しい技術を導入することができるように、年間数十億㌦ものコスト負担のあるレガシー・システムの一部をカットする方針を決めた。今年のIT予算は170億㌦。その中のインフラ部分の予算は、12年から比べ、10億㌦も下回っている。
銀行としてイノベーション予算に30億㌦を割り当てているのは、インフラ予算を削って増やした、との単純な理由ではなく、イノベーションによりコスト削減効果も期待できるからである。
他の大手行と同様、バンカメは、より機敏で対応の早い、しかも革新的な銀行でありたいと思っている。新しい技術を導入することができるように、年間数十億㌦ものコスト負担のあるレガシー・システムの一部をカットする方針を決めた。今年のIT予算は170億㌦。その中のインフラ部分の予算は、12年から比べ、10億㌦も下回っている。
銀行としてイノベーション予算に30億㌦を割り当てているのは、インフラ予算を削って増やした、との単純な理由ではなく、イノベーションによりコスト削減効果も期待できるからである。
・・・続きは紙面に掲載
【143】2016年7月18日付 フィンテック最新事情㉖
「銀行をかえる」 米国でも11%に増加
ウォール・ストリート紙(6月29日付)は、「米国の人たちは旧来の取引銀行が嫌になったら、次の銀行にはオンライン・オンリー・バンク(バーチャル・バンク)か、ノンバンクを選ぶ」の見出しで、アクセンチュアが今年3月に実施した調査レポート「バンキング・オン・バリュー:2016年北米コンシューマ・デジタル・バンキング」を紹介した。
「銀行をかえた」人は、12年の8%から15年は11%と増加している。ミレニアム世代で19%、富裕層全般は18%が、銀行をかえる層では中心を占めた。
では「旧来の銀行と取引をやめた人は、次はどこに行くのか?」。昨年35%の人が、規模の違う競合銀行ではなく、バーチャル・バンクやPaypalのようなペイメント・サービスプロバイダーを選んだ。その数は、12年の16%→13年25%→14年32%→15年35%と毎年増加している。
「バーチャル・バンクを選択した人」では、ミレニアム世代の10万㌦を超える収入がある人たちの27%、55歳以上の世代では15%もいる。
「銀行をかえた」人は、12年の8%から15年は11%と増加している。ミレニアム世代で19%、富裕層全般は18%が、銀行をかえる層では中心を占めた。
では「旧来の銀行と取引をやめた人は、次はどこに行くのか?」。昨年35%の人が、規模の違う競合銀行ではなく、バーチャル・バンクやPaypalのようなペイメント・サービスプロバイダーを選んだ。その数は、12年の16%→13年25%→14年32%→15年35%と毎年増加している。
「バーチャル・バンクを選択した人」では、ミレニアム世代の10万㌦を超える収入がある人たちの27%、55歳以上の世代では15%もいる。
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【142】2016年7月11日付 フィンテック最新事情㉕
米銀業界 顧客データ、より安全に送信
ウェルズ・ファーゴ銀行は「オンライン会計サービスのX e r o と、『新データ交換方式』で合意した。口座データのシェアリングにセキュリティー問題で焦点が当たる。今こそ安全で信頼性のある方式に移行すべき時が来た」と、新聞発表(6月7日付)した。
スモール・ビジネスの会計サービスに必要な口座データは、今まではユーザーが手入力するか、リスクを指摘されている古い手法の「スクリーン・スクレイピング」を使うサービスしかなかった。
この発表についてアメリカン・バンカー紙は、ライバルであるJPモルガン・チェース銀行のダイモンCEOが株主へのレターで述べた「将来的には、銀行が顧客から指示された第三者に情報を提供するプッシュ型のシステムを作り上げる」(本紙135号に既報)を実践したと報道した。
この新データ交換方式で使われる技術OAuth(オーオース)では、スクリーン・スクレイピングに代わってAPIを、それにID&パスワードに代わり、より安全な「トークン」が使われる。
スモール・ビジネスの会計サービスに必要な口座データは、今まではユーザーが手入力するか、リスクを指摘されている古い手法の「スクリーン・スクレイピング」を使うサービスしかなかった。
この発表についてアメリカン・バンカー紙は、ライバルであるJPモルガン・チェース銀行のダイモンCEOが株主へのレターで述べた「将来的には、銀行が顧客から指示された第三者に情報を提供するプッシュ型のシステムを作り上げる」(本紙135号に既報)を実践したと報道した。
この新データ交換方式で使われる技術OAuth(オーオース)では、スクリーン・スクレイピングに代わってAPIを、それにID&パスワードに代わり、より安全な「トークン」が使われる。
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【141】2016年7月4日付 フィンテック最新事情㉔
「保険改革の鍵」を握っている
インシュアテックはフィンテックの一分野であり、「既存の保険ビジネスへの挑戦と、新たなビジネスの創造」に強い影響を及ぼすだろう。
保険業界の多くの人は、「自分達のビジネスが破壊される危機にあることは疑わない(74%)」が、それでもまだ「経営戦略の重要課題にインシュアテックを位置づけている企業(43%)は多くはない。パートナーシップを組んでいる(28%)、投資している(14%)にとどまる」。
PwCは6月13日、グローバル・フィンテック・レポート「その時が待ち構えている:どのようにインシュアテックは保険業界を新しい形に変えるのか」を発表した。
まずCB Insightsが公表したインシュアテックへの投資額の推移から見てみよう。
インシュアテックへの投資は、2011年の25件、1億3,100万㌦から15年には113件、27億㌦に急増した。金額は、フィンテック全体の18.62%を占める。
今年第1四半期はフィンテック全体と同様に昨年末の落ち込みから回復し、47件、6億5,000万㌦となり、全体の13.27%を占めている。
保険業界の多くの人は、「自分達のビジネスが破壊される危機にあることは疑わない(74%)」が、それでもまだ「経営戦略の重要課題にインシュアテックを位置づけている企業(43%)は多くはない。パートナーシップを組んでいる(28%)、投資している(14%)にとどまる」。
PwCは6月13日、グローバル・フィンテック・レポート「その時が待ち構えている:どのようにインシュアテックは保険業界を新しい形に変えるのか」を発表した。
まずCB Insightsが公表したインシュアテックへの投資額の推移から見てみよう。
インシュアテックへの投資は、2011年の25件、1億3,100万㌦から15年には113件、27億㌦に急増した。金額は、フィンテック全体の18.62%を占める。
今年第1四半期はフィンテック全体と同様に昨年末の落ち込みから回復し、47件、6億5,000万㌦となり、全体の13.27%を占めている。
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