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2016年6月6日

2016年6月6日付 第2890号

1面

「医士療経営」取得広がる 金融機関
 病院勤務者上回る
  資格、地域密着に親和性
 
 成長分野と位置付けられる医療・介護分野への支援をより積極化しようと、金融機関の間で「医療経営士」の資格取得の動きが広がってきた。受験者、合格者ともに病院勤務者を上回り、足元の合格者数の占有率は約35%に上っている。各金融機関は融資業務だけにとどまらない高度な経営相談に対応するのに必須な資格と判断しているようだ。

2面(大手行・証券・保険)

ラップ 目標残高2兆円 三井住友信託
 今年度 保険含む総合コンサル力で
  付帯サービスも人気
 
 三井住友信託銀行は、2017年3月末での投資一任運用商品、投資信託、生命保険の3タイプを用意する「ラップセレクション」の残高を、16年3月末比約4000億円増となる2兆円を目標に推進する。資産を守りながら安定的に増やしたいという顧客ニーズの高まりを受け、ラップ型保険のラインナップ充実を図るなど、付加価値力で応える。15年度の投資一任・投信・保険の販売額は不安定な市場環境の影響により投信販売が大幅に減ったが、収益は残高積み上げによる販売会社管理手数料の伸長と保険販売手数料の増加で前年並みを維持した。今年度もこの基調を保ちながら、投信・保険関連ビジネスを強化する。

3面(地域総合)

個人ローンで積極姿勢 地域金融機関
 収益性の良さ 高まる魅力
 
 日銀のマイナス金利で、市場金利に連動する住宅ローンや法人貸し出しに比べて相対的に収益性が高い個人向けの無担保ローンの魅力が高まっている。2016年度も、貸出金を伸ばす地域金融が増えそうだ。ローン保証を務める消費者金融や信販会社などのノンバンクでは、15年から保証残高のさらなる積み増しを計画している。

特集(4・5面)

地域に寄り添い65年 これからも地元とともに
 6月15日は「信用金庫の日」 地域との結びつきをより強固に
 
 今年も6月15日の「信用金庫の日」が訪れる。65年前の1951年のこの日、信用金庫法が公布、施行されて以来、信金は、いつも地域とともに歩んできた。全国信用金庫協会によると6月15日は「信用金庫の全役職員が信用金庫の歴史的意義と地域に果たす役割を再確認して創業の理念に立ち返るとともに、地域と共に歩む信用金庫を広くPRすることにより、お客さま・地域との結びつきをより強固なものとする日」としている。全国各地の信金は、この日を中心として、献血や清掃活動、来店者などへのさまざまなプレゼント企画、さらには振り込め詐欺撲滅キャンペーンなども展開し、工夫を凝らした地域への貢献とPR活動を実施する予定となっている。

6面(地銀)

各務原市と協定 岐阜県9金融機関
 空き家リノベーション事業 DIY型契約で全国初
  借主が自由にリフォーム
 
 【名古屋】岐阜県内の地域金融機関は、各務原市と空き家リノベーション事業で協定を結んだ。市では高齢化に伴い、空き家対策が急務になっている。地域行政をけん引役に金融機関や大学が集まり、空き家を借主が自由にリフォームして住める仕組みをつくる。都市部から人を呼ぶ込み、地域活性化につなげる。

7面(信金・信組)

経営戦略を発表する田邉光雄理事長
「信託業務」に本腰 信金中金
 来年早期取り扱い開始
  2商品を独自ブランドで
 
 信金中央金庫は高齢化の進展や世代間の資産移転の増加、長期化する低金利を背景に信託業務に力を入れる。信用金庫の個人取引分野における信託機能の活用を促進し、業界独自ブランドの個人向け商品を開発するなど支援していく考えだ。

8面(文化)

ゆるきゃらの「ころろん」はさまざまな商品・ノベルティなどに使われている
【Runner】 沼津信用金庫「ななつぼし」
 広がりを見せる会員事業 しっかりしたビジネスモデル
  秋以降 おどろきの展開も
 
 沼津信用金庫(本店=静岡県沼津市)の会員事業が広がりを見せている。もともとはPRを目的としたゆるキャラへの取り組みが、その後さまざまな展開へと拡大していく中で、今では、それ自体がビジネスとしての可能性を感じさせるまでになっている。ヒト、モノ、カネに加え、さらに情報を併せ持つ金融機関の地域におけるプレゼンスは高く、それは信用金庫も例外ではない。地方に行けば行くほど、その強みが際立ってくる。先行きが楽しみになってきた。
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