2015年12月7日
2015年12月7日付 第2868号
〈1面〉協同組織「軽減」 2年連続見送り 法人税 自民税調小委 「地域銀との〝公平性〞を」
信用金庫や信用組合など協同組織金融機関が2016年度税制改正に要望していた「法人税率の20%台への引き下げ時に連動した法人税率の引き下げ」は、11月30日に開かれた自民党税制調査会小委員会での○☓判定で「マル政」には残ったものの、この実施は見送られることになった。一般会社の法人税率は32.11%から29.97%に下げられることが決まり、協同組織金融機関ではこれとの下げ幅の連動を主張、昨年の税制大綱に「次年度に検討する」と書き込まれていた。2年連続での見送りになる。また、この軽減税率の検討時に「地銀との預金量比較(別表)」が提出された。「規模がそん色なく、公平性が課題」との主張で、協同組織のあり方の議論に発展する可能性がある。
〈2面〉規模・内容ともに拡大 しんくみ食のビジネスマッチング展 「販路拡大支援につなげて」
出店企業・団体200超 4353人が来場
全国各地の信用組合とその取引先などが一堂に介して、食をテーマに全国規模のビジネス展開につなげようとする信組業界のビジネスマッチング展が、東京の新宿NSビルで開かれた。2年目となる今回は参加信組・出展者とも増加。北海度から九州までと地域も広がった。出展者の要望にきめ細かく対応するため、商談会と物産展の2会場を用意。昨年に続いて参加した企業も多くみられた。
2014年に続いて開かれた「2015しんくみ 食のビジネスマッチング展」は、前回の反省点なども踏まえ、大幅にグレードアップした。
〈3面〉独自の奨学ローン提供 鹿児島相互信金
長島町、慶応大と開発 地方創生、人口減対策で
鹿児島相互信用金庫(本店=鹿児島市)は、鹿児島県長島町と奨学金制度に関して連携協定を結んだ。同町には高校がなく、中学卒業を機に町を離れる若者が後を絶たない。人口減対策として、同町が新たに創設した奨学金プログラムに専用の奨学ローンを提供し、地元金融機関として全面的に協力する。
同町の「ぶり奨学金制度」は有利子・貸与型の奨学金だが、進学を機に町を出た借り手の子どもが長島町に戻ってくれば、過去に支払ったローンの元利金を奨学基金を通じて同町が全額肩代わりすることで、実質的に返済不要の奨学金になるという仕組み。
〈4面〉生保、日生が首位返り咲き 大手保険グループ 2015年中間決9月決算
損保、自然災害支払い響く
大手保険グループの2015年9月中間決算がこのほど出そろった。主要生保では大手4社中3社が本業のもうけを示す基礎利益で最高益を計上した。売上高にあたる保険料等収入は日本生命が首位を奪回した格好だ。一方、主要損保では台風など自然災害の多発で保険金支払いが膨らみ、大きく利益を圧迫した。売上高の正味収入保険料は収益の柱である自動車保険は保険料率改定が、火災保険は料率改定前の駆け込み需要を背景に伸ばした。
〈5面〉育児・仕事両児立を支援 北越銀 北陸学園、長岡市と連携
北越銀行は、0〜2歳の未満児を抱える出産後の女性の職場復帰と育児環境充実に取り組むために、学校法人北陸学園グループ(新潟県長岡市)および長岡市と連携し、育児と仕事が両立する環境整備支援スキームの実施を11月25日から開始した。地方創生では、子育て支援の拡充が人口減少問題への有効な解決策としており、同行も女性の社会進出支援、女性の働きやすい職場環境の創出により地域経済の持続的発展につなげていく考えだ。
〈6面〉【近畿地区信金特集】
明域日の地を支える 自治体との連携協定急ぐ
【大阪】地方版総合戦略の策定と並行して、地域金融機関の動きも佳境に入ってきた。策定への参画や産業振興連携締結を代表的に地域行政との関係作りに余念がない。金融経済新聞西日本支社がアンケートした中でも地方創生を支援するため、半数の信用金庫で新たにセクションを発足。エリア内の8割の自治体で策定を終えていることが分かった。今後新たに必要になる連携先としては、自治体をトップとして商工会議所、大学、教育・研究機関、民間事業者などとの協働が必要になると見ているようだ。少数派ではあるが職業能力開発センターやNPO、工業団地協議会などの意見も寄せられた。今回は、地方創生の中で今後具体化するであろう▷「活(活性化)」▷「住(住まい)」▷「安(安心・安全)」▷「育(子育て)」―をテーマに、近畿地区信用金庫の商品を迫ってみた。
〈7面〉北おおさか信金 新理事長 若槻 勲氏に聞く
高いシェア 営業力に生かす 積金は情報を得るツール
【大阪】北おおさか信用金庫(本店=大阪府茨木市)が9月15日に開催した理事会で理事長に就任した若槻勲氏。同信金は昨年2月の合併、新本店の完成に続いて、今年4月には創立90周年を迎えた。今後の金庫運営などについて、若槻理事長に聞いた。
〈8面〉『Runner』 稚内信用金庫
若手経営者の会「てっぺん塾」を日本一に
次世代に輝くまちへ若者始動 発足3年、今年初の海外視察も
北海道稚内市に本店を構える稚内信用金庫の若手経営者の会「てっぺん塾」が着実に育っている。発足して3年が経過したが、今年は初めて海外視察も行った。地域社会の持続可能性を高める経済政策として何が必要なのか、次世代に輝く最北のまちづくりに若者が動いた。日本一の会を目指し地域の将来を担う塾生たちの熱い活動ぶりにスポットを当てた。