SAPジャパン
ジェネラルマネージャー ボカート・グローバー氏
2015年10月19日付 第2862号
革新者の後押し重要 TPP進展 金融界変動に対応
ドイツに本社を持つSAPは、企業内で業務に使われる複数のコンピューターシステムを有機的に連携させデータやプロセスの効率的な統合をはかるエンタープライズ・アプリケーション・ソフトウエアのマーケットリーダーだ。2年前にEC技術分野を得意とするhybris software(ハイブリスソフトウェア)を傘下に収め、オムニチャネルのビジネスソリューション提供に力を入れている。ボカート・グローバー ジェネラルマネージャーは「日本の金融業界にも変化の波が押し寄せている。役員クラスへの啓もう活動で、企業の中のイノベーターを後押ししてもらう体制をつくることが重要」と話す。
―中国から異動してきたばかりだ。
中国ではデジタル企業が今までのビジネスモデルを変えている。たとえば企業間取引B2Bのオンライン・マーケットプレイスを展開するアリババ。製品を持った企業のサプライヤーと製品を仕入れたい企業のバイヤーが取引先を求めて利用するマッチングサイト。これらは顧客目線を中心にデジタルに重きを置いたサービスといえる。
―日本の金融機関をどう見ているか。
従来の勢力が強く、今までの文化を変えてデジタル化することには抵抗もあるようだ。発想の転換にはデジタルの中で育ち、体験豊富な世代のマネージャーを採用すること。先日、私は肝心な時にATMが使えないという状況に陥った。ニューカマーではバーチャルなお金がワンクリックで移動したり、数クリックでショッピングが完了したりという世界だ。実店舗にも行く必要がない。日本の金融の世界でも同じことが起ってくる。
・・・続きは紙面に掲載