2015年8月24日
2015年8月24日付 第2854号
〈1面〉経営基盤の格差拡大 地域銀 4割が自己資本額減 不良債権比率は改善
地域銀行(地銀65行・第二地銀41行)の「経営基盤の格差」が急ピッチで拡大している。別表は直近3期分の年度末決算から抜き出した自己資本額(2013年3月期はコア自己資本額)の推移。上位17行のうち、福岡、埼玉りそな、常陽、京都、北洋、広島、北陸の7行が前期より自己資本額を減少させた。経営の基盤である自己資本額を減らすのは異例のこと。将来の経営基盤となる融資先を確保するため、積極的な低金利競争に打って出たと見られている。
〈2面〉PPP/PFIセミナー 北陸財務局 日本政策投資銀行 北陸銀行
産学官金が連携した仕組みづくりが鍵 〝地方創生〟今がチャンス
全国各地でPPP(公民連携)/PFI(民間資金活用による社会資本整備)、公的資産マネジメントの活用ニーズが高まってきている。厳しい財政状況のなかで、深刻化する公共施設の老朽化問題に民間ノウハウや資金の活用が重要になってきているからだ。政府の日本再興戦略では今後、10年間でPPP/PFI事業規模を12兆円に拡大することが目標とされている。18日に北陸財務局、日本政策投資銀行、北陸銀行が合同で行った地方創生セミナーでは最新の施策動向、事例などを紹介し関心を集めた。
〈3面〉地域銀はガバナンス強化を 自主性・創造性発揮に期待 遠藤俊英・金融庁監督局長に聞く
取締会の活性化急務「真剣に検討すべき」 既存ビジネス先細り「次の手立て、早急に」
金融庁は2015年、昨年に増して地域銀行にガバナンスの強化を促す。経営の持続可能性を高めていくうえで、外部からの新たな知見や経験が必要不可欠とみているためだ。地域銀行の役員に占める社外取締役はすでに2割程度に増えているが、取締役会の活性化が重要とみてさらなる取り組みを求める。7月に就任した遠藤俊英監督局長は本紙記者に対し、金融界のガバナンスの遅れを指摘し、とくに地域金融については「今年は深掘りしていかなければならない」と強調した。
〈4面〉海外ビジネスが深化 3メガ銀 拠点・提携広がる領域全体収益で存在感増す
3メガバンクの世界を俯瞰(ふかん)した拠点開設、現地機関との提携や出資などをする動きに陰りは見えない。金融危機の影響を大きく受けた欧州や米国の有力金融機関より相対的な優位性が高まって以降、特にアジア地域を重視した海外戦略を加速させた。ただ、今年に入ってからは、欧米の大手金融機関などから貸出資産の取得に合意したり、ITを駆使した新技術を金融サービスに活用するため連携するなど、海外ビジネスの領域が広がっている。
〈5面〉地域金融初の共同開発 滋賀銀・群馬銀 マイナンバー管理で 来年1月、システム稼働
滋賀銀行と群馬銀行は3日、富士通を開発ベンダーとして、マイナンバー管理システムの共同開発に着手した。両行は富士通製の自営の勘定系システムをそれぞれ稼働させており、セキュリティー面での問題などを考慮したうえで共同開発に踏み切った。地域金融機関同士で同システムを連携し利用するのは初めてとなる。システムは来年1月から稼働するが、富士通は8月から他の金融機関にも販売を始めた。
〈6面〉「ダブルケア」官民連携 横浜信金・横浜市・日本ユニシス 自治体情報に金融ノウハウ
横浜信用金庫(本店=横浜市)は連携協定書を結ぶ横浜市、日本ユニシスと地域活性化プロジェクトとして、全国初の実証実験を年末から乗り出す。晩婚化・晩産化が進む超高齢化社会の象徴的な現象「ダブルケア」がもたらす課題を解決するため、介護や育児、家事支援などのダブルケアをサポートする関連事業者に横浜市が保有する公共データを民間に開放(オープンデータ)して円滑な事業活動を促す。信金の地域密着型金融の取り組みに自治体のデータを重ね合わせて地方創生のモデルをつくる事業として注目されそうだ。
〈7面〉地域おこしでタッグ 尾西信金 北星信金 活性化へ「羊」で活路
尾西信用金庫(本店=愛知県一宮市)と北星信用金庫(本店=北海道名寄市)が地域活性化で包括連携協定を結ぶ。ともに「羊」を資源に地域おこしを進めようとしている縁から遠距離連携に発展した。活性化のメニュー作りでアイデアを出し合ったり、イベントへの相互参加を検討する。年金旅行など本業への発展形も模索する。
〈8面〉『Runner』 多摩信用金庫
多摩地区で新規創業1000件へ 47の支援機関と塾・セミナーなど多彩に
多摩地区で新規創業1000件へ 47の支援機関と塾・セミナーなど多彩に
触れ合いの場、交流カフェも好評
多摩信用金庫(本店=東京都立川市)は創業そのものを増やす取り組みを行っている。起業への一歩を踏み出すための支援メニューは多彩だ。独自のネットワーク「創業支援センターTAMA」を事務局に多くの支援機関と連携し創業塾、セミナー、交流カフェなど幅広く活動している。支援機関を拡大し「多
摩地区で新規創業1000件」をスローガンにまい進中だ。
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