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2015年8月10日

2015年8月10日付 第2853号

〈1面〉【止まらない3極集中 地銀】
   東京市場に拠点開設 チャンス求め「越境」相次ぐ
    千葉銀 23区に積極進出   山口銀 豊洲の成長期待
 
 全国の地域銀行は、政府の「地方創生」政策に沿って新たに地域活性化に注力する一方で、東京や愛知、大阪・兵庫の3大都市圏への進出姿勢を強めている。現実問題として、少子高齢化が極端に進む地方で安定的な収益を上げることが難しくなり、まだまだ成長が見込める3大マーケットに打って出てビジネスチャンスを広げたいためだ。折しも、金融庁は地銀に対して10年後、20年後も持続できるビジネスモデルの構築を求めており、それが不可能なら市場からの退出要請も辞さない考えだ。その対応策として、3極への進出強化は有力な選択肢となる。最近では、新たな収益源を求め近隣の地銀が拠点を開設する動きが活発となり、さらに、山口銀行の東京・豊洲支店オープンのように遠距離からの本格進出も見られ、地銀の3極集中のトレンドは強まる一方だ。
 
新たな収益源獲得へ多くの地銀が都市圏に進出する(高層ビルの建設ラッシュで急激な人口増加が見込まれる豊洲地区)
 
〈2・3面〉【3極集中 中核都市進出の狙いと今後】
      「狙うは愛知」地銀の店舗戦略  名阪で出店ラッシュ
 
 大阪府と愛知県が草刈り場になっている。経済成長が見込めない県外地銀が利益を追い求め中核都市に続々出店しているからだ。プレーヤーの増加は競争の激化を招き、金利の引き下げ競争に拍車をかけている。大阪は京都、滋賀勢が猛威をふるい、愛知県では岐阜勢が勢力を拡大中。ただ、ここにきて「県外金融機関VS地元金融機関」という構図にさえ収まらなくなってきた。県外地銀同士が新天地でにらみ合うことも起こっている。ある金融機関幹部は「これこそ再編を唱える金融庁の思惑通り。でも、始まったバトルはもう止められない」と一歩も引かない構えだ。進出する大手地銀の店舗戦略を探った。
 

〈4・5面〉【デジタル化時代の金融】

      競争かフィンテック協働か 高利便・低コスト売りに台頭 向き合う邦銀、次の手は


 FinTech(フィンテック)が台頭している。情報通信技術(ICT)の発展で、モバイル決済やオンライン送金といった決済分野を中心に、新しいソフトウエアやソリューションを開発したベンチャー企業などが、高い利便性と低コストを売りに金融サービスを提供している。既存の金融機関にとって、フィンテックは競争相手か、それとも手を組むベストなパートナーなのか。米国の先行事例などを合せて紹介する。

 

〈6面〉総力戦で金融機関支援 保険の「製販分離」有効モデルに

    第一フロンティア生命 金井洋社長

 

 金融機関の保険窓販専門会社としても、第一生命グループ内でも確固たる存在感を示す第一フロンティア生命。今年4月に新トップに就いた金井洋社長は「保険の製販分離の有効なビジネスモデルになった」と自負する。保険料収入、いわゆる売り上げはもとより、今年度は単年度黒字を実現し、グループ利益にも貢献する見込みだ。積極的に金融機関を回るトップセールスにも余念がなく、顧客、金融機関代理店、自社の「三方良し」への思いを強くしている。

 

 

〈7面〉ダイバーシティ推進支援 千葉銀 日本公庫と連携 新融資設け拡大目指す

 

 千葉銀行は7月29日から、日本政策金融公庫の千葉県内4支店(千葉・館山・松戸・船橋)と連携し、ダイバーシティの推進に積極的な事業者を金融面で支援する取り組みを開始した。千葉銀が新たな融資制度を設け、日本公庫も既存制度の要件を拡大し、ダイバーシティの推進を千葉県全域に広げることを目指す。千葉銀は独自の行動宣言を策定するなど、ダイバーシティ経営を鮮明に打ち出しているが、事業者に対するサポートも強化していく。

 

〈8面〉【世界遺産で地域支援】

      地域で始まる活性化 「世界遺産」登録契機に

 

 信用金庫など地域金融機関の間で、地域の文化的施設などが世界文化遺産の登録認定を受けたことを機に、営業エリアの活性化につなげようとする試みが活発になっている。今年7月5日に登録が決まった「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」は8エリア、23施設で構成され広い範囲にまたがっていることから、施設がある地域の信金では共同での企画が浮上するなど、新たな取り組みも出ている。2016年にも世界遺産の登録が行われる見通しにあり、登録認定が期待される施設のある地域の金融機関では定期預金の発売などで地域の盛り上げに一役買っている。

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