2015年7月20日
2015年7月20日付 第2850号
〈1面〉 上場〝支援〟へ民意公募 「郵政」審議を再要請 総務省・金融庁 民営化委に 「限度額」数字入らず
金融庁と総務省は9日、郵政民営化委員会(増田寛也委員長)に対し「今後の郵政民営化の推進の在り方の調査審議」について麻生太郎金融担当相と高市早苗総務相が連名で要請を行った。民営化委員会はこれを受け、具体的な考え方(政令案)を両省庁に示すため、今後、委員会を開いて民間金融機関など関係者から聴取を行い、この了承をとった上で、3週間程度のパブリックコメント手続きに入るとみられる。金融業態への聴取は夏期休暇明けになるとの見方が多く、自民党提言の「限度額の9月引き上げ実施」がずれ込むのは確実な情勢となった。
〈2面〉地方創生貢献プロジェクト 「ネッパン協議会」発足 金融機関とも協業進める
目標会員10万社 〝販路開拓〟に特化、よろず相談も
地方を中心とした中小企業の販路開拓や販売力強化をインターネットで支援しようと一般社団法人「中小・地方・成長企業のためのネット利活用による販路開拓協議会」(ネッパン協議会)の設立発表会が東京都内のホテルで開かれた。今年8月からサービスを始める。地方創生に貢献すべく中小企業や成長企業のためにネット利活用での販路開拓支援、企業連携を通して日本全国や世界進出を支援するのが狙いだ。インターネット業界、金融機関、地方自治体、有識者とスクラムを組み推進する。金融機関とは、中小企業からの相談窓口先として協業を進めていく考えだ。5年間で会員10万社以上を目標に推進する。
〈3面〉「次の一手」高い関心 新体制スタート 監督局長に遠藤氏 検査局長には三井氏
2015年度の金融庁の新体制がスタートした。人口減や低金利など地域銀行を取り巻く環境は厳しいなか、地域銀行に将来も持続可能なビジネスモデルの構築を迫る金融庁では、注目の検査・監督部門の局長人事で、監督局長には遠藤俊英検査局長、検査局長には三井秀範総務企画局総括審議官を起用。財務局長は8人交替した。
〈4面〉信託会社10月設立 プルデンシャル生命 保険金の使途、生前に指定 受託要件緩和で間口広げる
プルデンシャル生命は14日、同社が100%出資する信託子会社を設立することを明らかにした。今年10月をめどに営業を開始する。支払われた生命保険金を財産として「信託」という形でコントロールし、契約者の意思通りに受益者に届くことを目指す。2010年に中央三井信託銀行(現三井住友信託銀行)と連携し生命保険信託に共同で取り組んでいるが、受託要件を緩和することで間口を広げ利用しやすくした。意図した受取人に財産が渡らない、などの事態を回避する。ウェブサイトを活用し地域を限定しない仕組みを整えた。
会見を開いた一谷昇一郎社長(中央)(左は阪本浩明常務、右は信託会社社長に就任予定の本多巨樹氏)
〈5面〉千葉銀、品川支店を新設 東京23区の営業強化 開発資金需要取り込みへ
千葉銀行は13日、東京の品川駅そばに品川支店(東京都港区港南)をオープンした。同行は2013年10月に品川法人営業所を開設したが、その業容が順調に拡大していることから支店に昇格させたもの。同行は今年10月にも東京都渋谷区に恵比寿法人営業所を新設する予定で、2020年の東京五輪開催を控え、今後新たな再開発が進む東京マーケットにおける戦略を強化していく。
〈6面〉経営面から外為業務にメス 大阪シティ信金・エキスパート講座 事例掘り下げ影響探る
【大阪】大阪シティ信用金庫(本店=大阪市)は高度化する取引先の外為ニーズへの対応と人材育成を目的に、今年度から「外為エキスパート講座」をスタート。経営の立場から外為業務にメスを入れた研究型の内容が話題を呼んでいる。
同信金では2010年から、貿易取引、海外送金、信用状取引などの知識を身に着ける講座として「外為スペシャリスト講座」を開始。すでに485人の修了生がいる。得意先のみならず窓口担当の女性職員も参加する人気の講座だ。
〈7面〉大手信金が出店攻勢 愛知県 利益・基盤拡大に狙い
人口増の住宅地 瀬戸 名古屋中心部に 碧海
愛知県内の大手信用金庫が新店舗開設に意欲を燃やしている。瀬戸信用金庫(本店=瀬戸市)は名古屋市緑区に鳴海東支店を打ち出し、碧海信用金庫(同=安城市)は建設中のナゴヤドーム前支店に続き、ビジネスの中心部・中区への進出を計画している。岡崎信用金庫(同=岡崎市)は緑区内の大手ショッピングモール隣接地に大高支店の建設を進めている。豊田信用金庫(同=豊田市)は日進市内に2店舗目の出店を目指している。経済集積地の愛知県には周辺地銀が進出を強めており、金利競争で収益環境は厳しさを増している。大手信金の積極的な店舗戦略は融資ボリューム増による利益確保と、将来の再編に巻き込まれないための基盤拡大に狙いがありそうだ。
社員発の〝手作り〟ボランティア 「共存同栄」の理念の下 様々な貢献活動を長期継続
現在、多くの金融機関が社会貢献活動に積極的に取り組んでいるが、損保会社の共栄火災も例外ではない。バレンタインデーやクリスマスの時期のチャリティー、熱気球による福祉施設への慰問など多様だが、同社の活動の特徴は社員からアイデアが出される「手作り」のものが多く、また、それが長期にわたって継続されている点だ。同社の経営理念は「共存同栄」で、まさにこのコンセプトが十分活動に反映されている。