2015年6月8日
2015年6月8日付 第2845号
〈1面〉125万件超の可能性 年金情報流出 金融機関名「免れる」
日本年金機構は1日、複数職員の端末に、外部からウイルスメールによる攻撃があり、基礎年金番号、氏名、生年月日の3情報が流出したのは116万7000件、これに住所を加えた4情報を含め5万2000件、合計で125万件(残りは基礎年金番号と氏名の2情報)の個人情報が情報サーバーから外部に流出したと公表した。また、「今のところ情報サーバーと接続する『基幹システム』への不正アクセスは確認されていない」が、「流出情報数が125万以上に広がっている可能性は、まだ予想できない。(給付や支払い窓口の)金融機関名までの情報は流失していないもようだ」などと説明した。
〈2面〉地域金融機関支援935件 経産省 創業補助金の採択結果公表 多摩信金は最多の53件
地域金融機関では創業支援の強化に専門部署やチームを立ち上げ活発に取り組んでいるが、このほど経済産業省は2014年度補正予算分の「創業・第二創業促進補助金」の採択結果を公表した。創業では地域金融機関(地銀、第二地銀、信金、信組)が支援した935件、第二創業では23件が採択された。
「創業・第二創業促進補助金」は創業や第二創業を計画する事業者などを対象に経費の一部を支援するもので認定支援機関に指定されている金融機関のサポートを受けることが申請の条件になっている。産業競争力強化法に基づく認定市区町村での創業のみを対象としており、女性や若者の配慮した補助金でもある。
〈3面〉移住・定住をサポート 十六銀、大垣共立銀 岐阜県と協定 専用ローンも提供
十六銀行と大垣共立銀行が相次いで岐阜県と移住定住促進で協定を結んだ。人口減少が進む中で地域の活力を維持するには県外からの移住者を増やす必要があると考え、県と地域金融機関がタイアップする。東京や大阪など大都市圏の店舗で岐阜県の魅力を発信するコーナーを設けたり、移住者専用の住宅ローンを開発したりして後押しする。移住者を増やすプロジェクトで地銀と地公体が手を結ぶのは全国でも珍しい。地方創生のあり方に一石を投じることになりそうだ。
〈4面〉『インタビュー』 新生銀 工藤 英之次期社長
顧客基盤を共有化 「セレクトショップ」魅力磨く 地銀再編参画は検討課題
17日付で新生銀行の新社長に就任する工藤英之・常務執行役員は、個人関連業務のなかで重要性が高いと説明する消費者金融事業について、新会社の設立も含めてさらに強化していく考えを示した。5月末までに応じた本紙とのインタビューに答えたもので、保有する消費者金融事業のインフラを活用できる潜在的なマーケットを新興国で探しているとも述べた。地域銀行の再編についても言及し、再編に参画するのか否かも含めて、立ち位置は検討課題だと語った。
〈5面〉団信、商品性向上へ 地銀協 移行スキーム構築など検討
全国地方銀行協会は地銀協住宅ローン団体信用生命保険制度の安定的な運用に向けた見直しについて検討を行ってきたが、このほど、商品性向上への取り組みおよび銀行別料率の具体的な導入案をまとめた。商品性向上に関しては、現行の優良割引率の引き上げ、向上策検討の迅速化、他社団信からの移行スキームの構築といった取り組みを明示した。また、銀行別料率については、2016年4月から導入する方向性を決めた。
〈6面〉地方創生に有益 城北信金 サイバーエージェント・クラウドファンディング
城北信用金庫(本店=東京都荒川区)はサイバーエージェント・クラウドファンディングと「NACORD」を4月に開設したが、早くもプロジェクトが動き出した。特に注目を集めているのが「イルミネーションインテリア」。スマートフォンの機能を使って、一瞬で部屋を幻想的な癒しの空間に変えてしまうというものだ。
〈7面〉四国10信金震災に備え 物資・人材など相互支援 防災意識向上も期待
【大阪】四国地区の10信用金庫は5月29日、大規模災害発生時の相互支援協定書を締結した。南海トラフ大地震を起因とした津波被害をはじめ、地震、台風、豪雨など大規模災害が発生した時に、復旧に必要な資材・器材の融通や人材の派遣などで協力・支援する。
提携を結んだのは、徳島、阿南、高松、観音寺、愛媛、宇和島、東予、川之江、幡多、高知の10信金。