2015年3月23日
2015年3月23日付 第2836号
〈1面〉第4の矢は「財政再建」 消費増税 注目の「上げ幅と時期」 アベノミクス、政策の先へ
自民党内で経済見通しの議論が本格化している。基本はアベノミクスの「3本の矢」の次の「第4の矢」を探す動きだ。これは、今のところ「消費増税などによる財政再建」とみられる。別表は12日の自民党国家戦略本部「『2030年の日本』検討・対策プロジェクト」での三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)の小林真一郎主任研究員による「想定される消費税増税と実質GDP成長率」の経済見通しの資料。ここでは17年4月の10%から5年後で12%、その後の3年で15%になると予想している。
〈2面〉金融機関で1600人突破 医療経営士の有資格者 今年2月の合格者は176人
金融機関の医療経営士の有資格者が1600人を突破した。2月に実施された第14回「医療経営士3級=2月15日実施」では合格者390人のうち、金融機関勤務の合格者は176人を占めた。金融マンは医療業界についてある程度知識はあるが、経営者からの悩みや相談を解決できていないのが現状だ。多様なニーズを見つけ出し高度なソリューションを提案し専門性を発揮することが期待されている。それだけに、経営に幅広い知識が求められる同資格の取得に力を入れている。病院経営の目利き力向上へ受験者は益々増えそうだ。
〈3面〉相続事務の新システム提供 九州しんきん情報サービス 来月から 共同利用で業務効率化
九州しんきん情報サービス(QSS、福岡市、社長=中村英隆遠賀信用金庫会長)は4月から、信用金庫の相続事務の高度化を支援するクラウドサービスの提供に乗り出す。共同利用型でありながら、信金ごとに異なる事務要領に柔軟に対応できる。システム化により相続人への適切な手続き支援による応対品質の向上や、事務効率化などが期待できる。
〈4面〉不動産私募市場 減少続く 三井住友トラスト基礎研 定期調査 「グローバル型」が下支え
不動産私募ファンドの市場規模は減少が続いている。定期的に実態調査を行っている三井住友トラスト基礎研究所は2014年12月末時点の運用資産額ベースで約15兆1000億円と推計。前回調査(14年6月末時点)からの半年間で約3600億円減少した。不動産取引市場では物件の取得が困難な状況が継続しているが、今後1年以内の物件取得やファンド組成を計画している運用会社も多いことから、同社では今後における私募ファンド市場の成長が期待されるとしている。
〈5面〉カーボンニュートラル目指す 滋賀銀 栗東支店を新築オープン
【大阪】滋賀銀行は16日、同行では初めてカーボンニュートラルを目指す店舗として、滋賀県栗東市内の栗東支店を新築オープンした。支店の営業活動で生じCO2排出量を太陽光発電で全面カバーし、実質ゼロ(ニュートラル)にする取り組みだ。環境技術を集めた店として今後も情報発信する。
栗東支店は今月2日、滋賀県主催の「低炭素な『まちと建物』コンテスト」で優秀賞に選ばれるなど、CO2削減に対し高い評価も得ている。
栗東支店は今月2日、滋賀県主催の「低炭素な『まちと建物』コンテスト」で優秀賞に選ばれるなど、CO2削減に対し高い評価も得ている。
「カーボンニュートラル店舗」となる栗東支店
〈6面〉諮問委再開で6提言 大阪シティ信金 人口減時代の融資推進
【大阪】大阪シティ信用金庫(本店=大阪市)は11日、本店ホールで、2013年の合併後初となる「諮問委員会答申発表会」を開いた。人口・事業所減少時代を勝ち抜く融資推進戦略など6テーマについて、各チームがまとめた提案や意見を発表した。その内容によっては経営計画にも反映していきたいとしている。
〈7面〉女性管理職 積極登用へ さがみ信金 挑戦できる環境整える
さがみ信用金庫(本店=神奈川県小田原市)は2015年度から8年ぶりに人事制度を見直す。現行は大卒の新入職員の場合、初めて昇格する時(おおむね入庫4年後)に総合職か事務職を選択するコース制を取っているが、10月からは総合職と事務職の区分をなくし一本化する。幅広い業務に女性職員を積極的に配置し、さらには管理職への登用を進めていく狙いだ。新制度の策定にかかわった人事部の飯野勇治・審議役は「女性職員には色々な業務にチャレンジしてほしい。その結果として、女性管理職を増やしていきたい」との考えを示した。
〈8面〉『Runner』 東京都民銀行
銀行の環境問題で多彩な取り組み「花粉の少ない森づくり定期」が好評 子どもたちの環境活動も応援
金融機関のCSRとして環境問題への取り組みは欠かせないものになってきているが、東京都民銀行も環境に配慮した経営を積極的に実践している。商品・サービスを通した環境関連団体への寄付のほか、環境保全に向けたさまざまな活動を展開している。特にユニークなのが「花粉の少ない森づくり定期」預金の取り扱い。花粉症に悩まされる人の数は年々増加して、今や社会的な大問題となっているが、この状況を少しでも改善しようと、金融商品の販売でサポートしていく試みだ。
「海の森」植樹活動には役職員が参加