2014年12月8日
2014年12月8日付 第2823号
〈1面〉預金保険機構 可変料率 検討外れる
預金保険機構は11月28日に「預金保険料率に関する検討会」を開き、金融業界から要望の出ていた預金量率の引き下げ(0.084%→0.07%)を来年4月から実施することを決めた。正式には報告書にまとめるが、この報告書の文案に日本郵政などが懸案事項に主張していた「可変保険料の検討」は、文書に入らないことで決着した。全国地方銀行協会や第二地方銀行協会が、同月28日の開催前に示された原案に強い反対姿勢を示したためだ。
〈2面〉知的財産活用賞・奨励賞「金融サポート部門」
日本弁理士会が今年度に創設した「2014年度知的財産活用賞・奨励賞」の表彰式が11月28日、東京・港区の弁理士会館で行われサポート部門の金融支援で千葉銀行、豊和銀行、八千代銀行、巣鴨信用金庫、製作支援では日本政策金融公庫がそれぞれ表彰された。同賞は知的財産やブランドを活用し知的資産経営に積極的に取り組む事業者や、それらを支援するサービス支援企業を表彰するもの。表彰部門は知財戦略・営業秘密管理・ブランド戦略・サポートの4部門がある。
知的財産活用賞・奨励賞の受賞者
〈3面〉九州地銀大手 融資強化へメニュー続々
肥後銀行・鹿児島銀行の再編で注目が集まる九州の金融界。来年には資産規模8兆円を超える3大グループが並び立つ。迎え撃つ大手地銀グループは、他県での貸し出し増強も視野に、中小企業向け融資の強化や成長分野へのファンド投資、店舗開設や新商品、消費性ローン、カード事業の拡充などのメニューを用意して対抗する。
〈4面〉国内大手8グループ 4月~9月期中間決算
国内生保大手8グループの2014年4~9月期決算が11月28日、出そろった。売上高に相当する保険料等収入は6グループで増収を確保。第一生命グループが銀行窓販や海外事業の好調を背景に首位に立った。本業のもうけを示す基礎利益も円安株高の影響による利配収入の増加で好調だった。運用面では国債から外債へのシフトが鮮明になっている。
〈5面〉岩手 七十七 東邦 復興・成長支援新ファンド
岩手銀行、七十七銀行、東邦銀行の東北3地銀は8日、日本政策投資銀行および地域経済活性化支援機構(REVIC)と共同で、東日本大震災による被災地域の復興と成長を支援するため、3つの復興・成長支援ファンドをそれぞれ組成した。3行は、震災が発生した2011年の8月に政投銀とともに東日本大震災復興ファンドを設立し、被災企業の早期復旧・復興支援を行ってきたが、震災復興が新段階に移行しつつあることに対応して、新ファンドを設立することにした。
〈6面〉14年度 トップ交代 29信金 20信組
2014年度に開かれた総代会で理事長が交代したのは、信用金庫では29金庫、信用組合では20組合の合計は49にのぼった。昨年より信金は2金庫増え、信組は6組合減少した。全体の信金数は267金庫と信組数は148組合で、これを分子に交代した数で割ると信用金庫は9.2年、信用組合は7.4年となった。
〈7面〉呉信金 空き家放置へ一手 解体ローン商品化
【大阪】呉信用金庫(本店=広島県呉市)は、今年から呉市が施行を開始した「空き家等の適正管理に関する条例」を受けて、1日から「くれしん空き家解体支援ローン」の取り扱いを開始した。空き家の放置による生活環境への悪影響が特に地方では深刻化している。そこで同信金は空き家の解体費用を使途とするローンを商品化した。個人取引支援グループでは「市と密接な関係にあり地元金融機関として取り扱いに踏み切った」と話す。
〈8面〉Runner シグマバンクグループ
東京東部を営業基盤とする亀有信用金庫(本店=東京都葛飾区)、足立成和信用金庫(同・足立区)、小松川信用金庫(同・江戸川区)、東栄信用金庫(同・葛飾区)の4信金で構成されるシグマバンクグループは毎年8月、合同でビジネスマッチングを開催しているが、その特徴は成約率が高いことだ。これは、各信金が当日の商談会だけでなく、事前の準備や事後のフォローにもきめ細かく取り組んでいることが大きい。一部のマッチングのような派手さは追い求めず、あくまでも「実をとる」スタイルを貫く。