2014年11月10日
2014年11月10日付 第2819号
〈1面〉信金3カ年計画 「スクラム強化、価値創生」
全国267信用金庫の新たな経営目標「しんきん3カ年計画(2015年度~17年度)」の内容が別表の通り明らかとなった。全国信用金庫協会の経営対策委員会(委員長=小林一雄・朝日信用金庫会長)で素案を検討していた。10月24日の理事会でこの結果を報告した。最終局面まで17年度末貸出金増加率は難航したが2.5%をめざすことで合意、これにより貸出金増加率は難航したが2.5%をめざすことで合意、これにより預貸率目標も5年ぶりに51%と5割台に乗せる。3カ年計画のタイトルは、今までの6年間「つなぐ力」から「スクラム強化、価値創生をめざして」に一新した。政府の物価上昇率目標の2%を上回り、地方創生の動きにマッチした内容。創業・新事業支援融資件数は「3年で3500件増、年間1万1000件」の水準に上げる。
〈2面〉事業性評価 「幅広い支店で」
金融庁は、今事務年度のモニタリングの重点施策として掲げている事業性評価に基づく融資について、個々の企業の事業性評価の仕方というよりも、もう少し幅広の視点でとらえるスタンスをとっている。金融機関が財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、取引先企業の事業の内容、特性、成長可能性、競争環境などを的確に把握・分析。その結果をもとに適切な融資、助言を行うことによって企業の成長発展につなげていくことができれば、その地域の企業や経済の発展とそれぞれの金融機関の経営の持続的安定を両立させることが可能であるという問題意識を持っているからだ。
〈3面〉株主優待 導入企業が過去最高
株主優待を実施する上場企業数が過去最高を更新した。大和インベスター・リレーションズ(IR)が9月末時点でまとめたところ、上場企業3600社(不動産投資信託を含む)のうち1150社が行っており、2014年は新たに82社が優待制度を導入した。少額投資非課税制度(NISA)が今年から始まったこともあり、優待を受けられる単位を100株の最低売買単位に引き下げ、小口株主に配慮した動きがじわりと広がっている。大和IR業務推進部企画・総務グループの松永聖祥副部長は「最低でも1年、一番多い3年といった長期保有株主に優待制度を適用する企業も増えている」と話す。
〈4面〉横浜、東日本銀が統合へ 地銀最大グループに
神奈川県の大手地方銀行である横浜銀行と東京都を主な地盤とする第二地方銀行の東日本銀行は4日、経営統合に向け検討を行っていることを明らかにした。2016年春に共同持ち株会社を作る方向だ。統合が成立すると、総資産は15兆円を超え、福岡銀行、親和銀行、熊本銀行からなるふくおかフィナンシャルグループを抜いて地銀グループ首位となる。金融庁は、今後の地方経済の疲弊を見越して地銀の再編を促しているが、今回の動きが遅々として進まない再編を加速する引き金になるとの見方も出ている。
〈5面〉西武信金 空き家対策に本腰
西武信用金庫(本店=東京都中野区)が、空き家問題の解消に役立つローン商品を本格的に売り出す。不動産鑑定評価基準の見直しが行われたことを機に、中古住宅の購入とリフォーム費用を一本化した。少子高齢化に伴う人口減少で空き家が急増している。金融機関も対応を迫られるなか、いち早く乗り出した格好だ。
東京都不動産鑑定士協会と包括連携協定を締結した
〈6面〉三井住友海上 地方創生支援モデル 全国に展開
三井住友海上が今月から「地方創生支援モデル」を全国展開している。地域経済の活性化を目指し小規模事業者や起業家を育成、支援する。ビジネスマッチング、起業家育成、後継者育成といった、これまで培ったノウハウを凝縮。地域という単位で展開できるプログラムとして、新たにパッケージ化した。第1弾はすでに三陸地域で始動。国を挙げての「地方創生、地域経済活性化」に本腰が入る。
〈7面〉リース大手 事業領域の拡大急ぐ
リース大手が事業領域の拡大を急いでいる。大手各社の2014年4~9月期の動きをみても、国内ではより中小企業や個人向け、再生可能エネルギー、PPP・PFIなど有利な収益環境を求める取り組みが目立つ。国内に比べ高いスプレッドや新市場開拓への期待から、海外展開の動きが活発化。国内部門に匹敵する業績を上げる会社も出てきた。
〈8面〉Runner 大阪シティ信用金庫
【大阪】大手企業を中心に取り組みが進む開放特許。自社が持つ睡眠特許を中小企業に販売することで大手のみならず、中小企業も商品開発などで大きなメリットを得ている。特許部品やデバイスを介した大手企業と中小企業の新しいマッチングの形だ。開放特許の概要をはじめこれに取り組む大阪シティ信用金庫の活動例を交え変わりつつある開放特許の動きを取材した。