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2013年9月16日

2013年9月16日付 第2767号

〈1面〉「金融は過当競争」前提崩す 13事務年度 金融庁
 
 金融庁は6日、2013事務年度「金融モニタリング基本方針」を新しくまとめ発表した。従来の新事務年度入りの都度に公表していた「監督方針および検査基本方針」にあたるもの。今までの検査の「定点観測」や「最低限の基準を満たしているかの検証」が中心だった検査は、今回から「金融モニタリング検査」として、リアルタイムでの実態把握を行い、監督行政につなぐことを目指す。地銀(とくに上場行)の経営方針のあり方に、検査ターゲットを絞ったとの見方がある。「金融機関の経営の自主性に委ねる姿勢を一段と強調したもので、今までの流れからは必然的なもの」との一方で「この方向があまりに行き過ぎるのは、無責任な金融行政に陥るのではないか」との指摘も。これによって、検査官の資質が一段と問われることになった。当面、本省直轄検査の内容がどのように変化するかが注目されよう。
 
〈1面〉増税後の景気後退 財務省「金融不況が主因」
 
 自民党は9日に税制調査会小委員会を開き、過去の消費税率引き上げ時の影響を財務省などから聴取、11日の同委では、引き上げに伴う経済対策の税制支援で各論に入った。国際オリンピック委員会(IOC)総会で2020年のオリンピックの東京招致が決定し、午後2時半からの同会合は株価が高騰するさなかで開催。13年4~6月期の実質国内総生産(GDP)二次速報値が前期比の年率換算で3・8%増(一次速報2・6%増)と民間設備投資の上方修正を受け大幅となったことも加わり、「消費税は予定通り引き上げるべきだ」との意見が相次ぎ、これに反対する意見はでなかった。額賀福志郎小委員長は冒頭あいさつで①(企業の)生産性を上げる②ベンチャー③経営革新④防災――の4分野に税制支援すると述べた。
 
自民党が9日に開いた税制調査会小委員会であいさつする額賀福志郎・小委員長
 
〈2面〉PFI「地域内完結」がベストシナリオ 野村資本市場研究所 江夏主任研究員に聞く
 
 行政サービスを、行政と多様な構成主体との連携により提供していくパブリック・プライベート・パートナーシップ(PPP)および公共施設の整備・運営に民間の資金やノウハウを活用し事業の効率化やサービスの向上を目指すプライベート・ファイナンス・イニシアティブ(PFI)の拡充に向けた機運が高まっている。安倍政権が6月に発表した「日本再興戦略」で、2013年度から10年間のPPP/PFI活用のためのアクションプランを策定、PPP/PFIの事業規模を12兆円に拡大する目標を打ち上げたからだ。今年1月に閣議決定された、官民共同出資の「民間資金等活用事業推進機構」が10月に立ち上がり、各地域においてPFI事業案件の増加が見込まれている。それに伴い案件に関与する地域金融機関などの役割もさらに増しそうだ。地方公共団体のインフラ整備動向や地方債市場などに詳しい野村資本市場研究所の江夏あかね主任研究員に聞いた。
 
野村資本市場研究所の江夏あかね主任研究員
 
〈3面〉「パスワードカード」10月導入 三井住友銀
 
 インターネットバンキングを悪用した不正送金を防ごうと、三井住友銀行はセキュリティー強化に乗り出す。同行のネット・モバイル・テレホン各バンキングを契約する「SMBCダイレクト」(個人)会員向けに、新たに60秒ごとに使い捨てパスワード(PW)を自動発行する米国社製の「パスワードカード」を邦銀で初めて取り入れ、10月21日から提供を開始する。現在は振り込みなど資金移動の際には、暗証カードによる乱数表とPW生成機によるワンタイムPW(希望者のみ)で認証している。これを新型PWカードに一本化し、安全性をさらに高める。来月から導入後も当面は現行の認証方式を使えるようにするが、一定期間経過後に廃止する。
 
無料で提供するパスワードカード
 
〈4面〉サハリンとの連携強化 北海道銀・北洋銀
 
 北海道の地域銀行である北海道銀行と北洋銀行がロシアのサハリン州との連携を強めている。北海道とサハリン州が「友好と経済に関する協定」を締結してから今年で15年経過したことから、今月、北海道銀の堰八義博頭取と北洋銀の石井純二頭取が高橋はるみ・北海道知事とともにサハリン州政府庁を訪れ、それぞれ覚書を締結した。地銀各行は取引先の海外関連業務支援のために中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係を深めているが、ロシアに関しては地理的条件からも北海道の地銀が圧倒的優位な状況にあり、新たなビジネスチャンスに結び付けようとしている。
 
〈4面〉ゆるキャラが地元PR 千葉銀・伊予銀
 
 千葉銀行と伊予銀行は10、11日の両日、東京中央区の「ブリッジにいがた」で「千葉と愛媛の観光・物産展示会」を共同開催した。この展示会は、今年6月11日にジェットスター(LCC=格安航空会社)が成田・松山間で就航したことを記念して開催されたもの。日本の玄関口である成田空港と松山空港が接続され、首都圏から愛媛県へのアクセスが大幅に向上することから、LCC就航による利便性の向上を幅広く周知するとともに、千葉県と愛媛県の観光資源や地域産品の魅力を情報発信することが目的だ。会場には、千葉県のご当地キャラクター「チーバくん」「うなりくん」と愛媛県のご当地キャラクター「みきゃん」「バリィさん」も姿を見せ、千葉銀の佐久間英利頭取や伊予銀の大塚岩男頭取などとともに地元のPRに努めていた。
 
ご当地キャラクターと記念写真に収まる千葉銀行の佐久間英利頭取(右)と伊予銀行の大塚岩男頭取
 
〈5面〉障がい者支援で代読・代筆研修 城南信金が金融機関初
 
 文字の読み書きに困難があるため、日常生活や社会生活に支障を抱えている高齢者や障がい者を支援しようと、金融機関で初めて「代読・代筆情報支援サービス研修会」が9日、東京都品川区の城南信用金庫本店講堂で開かれ注目を集めた。運営協力はNPO法人大活字文化普及協会。会場には同信金をはじめ、近隣信金の職員ら約250人が参加した。吉原毅理事長は「障がい者や高齢者が暮らしやすい社会を実現していく」と強調した。
 
職員250人が参加した研修会
 
〈6面〉ABLリスク総合的に補償 損保ジャパン
 
 損保ジャパンは動産・売掛金担保融資、いわゆるABLで融資先企業が抱えるリスクを総合的に補償するプランを開発した。融資先企業だけでなく、金融機関や動産評価会社にも提供しABLの推進を支援する。制度や運用面の整備で普及が期待されているABLだが、実行する金融機関は約半数にとどまるという。東日本大震災での被害企業の復興や再生、中小企業の経営改善、新ビジネスへの資金確保など、ABLへの期待が高まっている。個別設計も可能で、損保ならではのリスクカバーで貢献する。
 
〈7面〉カード発行事業で提携 アメックスと米スターウッド
 
 アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(アメックス)とシェラトンやウェスティンなどのホテルを運営する、米スターウッドグループがカード発行事業で提携した。スターウッドの日本国内でのクレジットカード発行は初めてで、「日本経済が回復発展に向かっている時期だけに絶好のタイミング」(スタウッドホテル・ローラL・ドナヒューディレクター)と期待する。カード市場が成熟する中で、利用金額や頻度が高い優良顧客の囲い込みは不可欠だ。とりわけ富裕層のメーンカード化を各社は狙う。
 
 
会見で握手を交わすアメックスの須藤副社長とスターウッドのドナヒュー・ディレクター
 
〈8面〉Runner オリエントコーポレーション 加盟店向けにもCS活動
 
 オリエントコーポレーションが加盟店向けのCS活動に力を入れている。個品割賦が主力のオリコにとって、加盟店の満足度をいかに上げるかは今では全社的な課題になっている。昨年には社長直轄のCS向上委員会を設置したことを象徴として、本社、現場でも戦略的CSに向けた意識が高まっている。CS戦略に関し専門部署を置くケースが多い中、オリコは各部署の自主性に任せ、各部署間の調整を業務部が担っているのも異なる点だ。
 
社内向けのCS推進ポスターを手にする業務部の二宮哲次課長(右)と須貝雅さん
 
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