2013年7月1日
2013年7月1日付 第2758号
〈1面〉成長戦略は「税支援」全面 法人税引き下げ
自民党は6月20日、「参院選選挙公約」と政策集「J-ファイル」を発表した。公約は25ページ、政策集は83ページの大部な内容になった。公約では「日本経済の新しい姿」を「今後10年間の平均で、国内総生産（GDP）成長率名目3％、実質2％程度の成長実現を目指す」など5本柱を示し、第3の矢「民間投資を喚起する成長戦略」では、日本再興戦略に基づき間断なく政策を打ち続け、成長軌道に乗せるとした。
〈2面〉「上場前倒し」も業務拡大崩さず 日本郵政 西室新社長
日本郵政は6月20日、新トップに就いた西室泰三社長の就任会見を開いた。西室社長は「スピード感と言うより、スピードを上げ株式上場を達成する」と意欲を見せたが「予定の2015年秋口までに（上場を）達成するには、抜本的な体制が全くできていない。来年の7月までに作り直す」と、課題の多さを認めた。
〈3面〉海外戦略、さらに加速 三菱ＵＦＪ
三菱UFJフィナンシャル・グループ（FG）が海外戦略をさらに加速している。2012年度以降、今年6月末までにアジア・米州・欧州での拠点開設は昇格措置も含め9カ店、三菱東京UFJ銀行の2現地法人で増資を実施した。現地の有力銀行との出資・提携も引き続き意欲的な姿勢で臨んでおり、最近ではベトナムとミャンマーの大手銀行と提携した。さらに、6月末にタイの大手銀行を子会社化する方針であることが明らかになった。アジア地域での業務拡大に伴い、管理統括を２本部制に移行するなど、体制面の拡充も図っている。三菱UFJは粗利益に占める海外収益比率を4割に引き上げる目標を掲げており、収益拡大に向けたテコ入れに拍車がかかりそうだ。
〈4面〉北部ネットワーク強化 北九州銀
北九州銀行は主要地盤である北九州市において、8月26日に若松区に「ひびきの支店」を、2013年度下半期に八幡西区に「相生支店」を、相次いで新設する。北九州市を含めた北部九州エリアは今後も大きな成長が見込まれるため、金融機関間の競合が激化しているが、同行は店舗網のさらなる拡充により、新規顧客の獲得に注力する。
〈5面〉全国信金大会 大前会長 ゆうちょ肥大化で注文
全国信用金庫大会が6月21日、東京・大手町の経団連会館で盛大に開催された。大会には安倍晋三総理、麻生太郎金融担当相、茂木敏充経済産業相、黒田東彦日銀総裁、岡村正日本商工会議所会頭が来賓として招かれ、全国の信金理事長や関係者ら約800人が集結し実りある大会となった。
〈6面〉近畿大阪銀の通販支援 メットライフアリコ生命
メットライフアリコ生命は1日、近畿大阪銀行の保険コールセンター向けに医療保障や死亡保障の保険商品の提供を開始した。近畿大阪銀はコールセンターを通じたテレマーケティング方式で保険を販売する。メットライフアリコは銀行と提携した通販保険モデルを2010年から手がけているが、関西圏の金融機関では初めての導入。保障性保険商品とともに通販ビジネスのノウハウを提供、これまでと違う顧客層の取り込みを支援する。
〈7面〉日本初の５通貨対応 3社連携でトラベルプリペイドカード事業
ジャックスとビザ・ワールドワイド・ジャパン（Visa）は1日、シティバンク銀行の顧客を対象にした新たなプリペイドカードを発行した。シティバンク銀行の口座からインターネット経由でカードに入金すれば海外のVisaが使えるATMで現地通貨を引き出せる。1枚のカードで5通貨に対応。付帯サービスにも力を入れ、足元、夏休みの海外旅行などでの活用を意識する。来夏にはショッピング機能を持たせ、店舗での買い物にも使えるようにしたいという。
〈8面〉Ｒunner 「タフネゴ」持ち味 世界で活躍 野村ＰＥキャピタルの秦 由佳さん
野村ホールディングスの完全子会社、野村プライベート・エクイティ・キャピタル（NPEC）の運用調査部でアジア部門のヘッドを務める秦由佳さんは、同社が2009年に立ち上げた「アジアにフォーカスしたファンド・オブ・プライベート・エクイティ（PE）ファンズ」の第１号組成から関与。昨年には第2号のファンドの立ち上げにも尽力しました。一般的に10年満期とPEファンドの息は長く、いわゆる案件発掘からエグジットまで、この間の丁寧なメンテナンスやしっかりとしたチェックは欠かせません。まさに腕の見せ所です。投資家として外国人のファンドマネージャーなどを相手にタフな交渉で持ち味を発揮する秦さんに、日ごろの業務内容を聞きました。