2022年11月7日
2022年11月7日 第3173号
1面
物価と景気一体対策 政府
GDP4・6%押し上げへ 賃上げ、労働移動、人への投資も改革
政府は10月28日に3、4、7、9月に続き大型の総合経済対策を閣議決定した。物価と景気対策を一体で行う。財政支出39兆円、民間を合わせた事業規模で約72兆円、これでGDPの4・6%押し上げを目指す。同25日の10月の月例経済報告で国内景気の総括判断を「緩やかに持ち直している」で据え置き、先行きを「金融資本市場の変動などの影響に十分注意する必要がある」とする。
2面
信金の「軽量化店舗」 OKI
SCOMで提案 一足飛びでなく段階的に
OKIが10月26、27日に都内で開かれたしんきんコミュニケーションフェア(SCOM)で信用金庫業界に軽量化店舗実現に向けた取り組みを披露した。信金でも店舗の再構築や省力化を考える中、信金独自の対面重視文化を尊重、一足飛びでなく段階的に進めるための提案だ。地域のインフラ拠点としての店舗の有効活用も重視している。
3面
デジタル活用で動き 地域銀
千葉銀 ソニー銀と業務提携 静岡銀 税公金収納で研究会
地域銀行でデジタル関連の新展開が相次いでいる。千葉銀行は顧客サービスの高度化などを目的にソニー銀行と業務提携を結んだ。常陽銀行はブロックチェーンを使った不動産証券化商品事業を手がける予定の事業会社に出資。静岡銀行は静岡県内の税公金納付の電子化に向けた研究会を開催した。新サービスや新業領域への開発、自治体業務の効率化などデジタルを巡る事態が動いている
4面
武蔵野美大と共同研究拠点設立 日本総研
自律協生社会へ、まずは3年間 異色タッグに注目
日本総合研究所(日本総研)は1日、武蔵野美術大学(東京都小平市)が運営する「ソーシャルクリエイティブ研究所」とともに、共同研究拠点「自律協生スタジオ」(通称:コンヴィヴィ)を同大市ヶ谷キャンパスに開設した。少子高齢化が進み、地方創生が叫ばれる中で、外から支援の手を差し伸べるだけでなく自律し、その上で協生できる社会づくりに向け研究を行っていく。従来通りのやり方だけでは不十分な中で、シンクタンクと美大という異色のタッグに期待が寄せられている。
5面
決済システムを実装 JCB・TF・Keychain
オフライン環境向け モノ同士の契約、商行為を意識
ジェーシービー、トッパン・フォームズ(TF)、Keychain(東京・港)が連携、オフライン環境の店舗用決済端末で取引を行うシステムを開発、 検証する。現状のキャッシュレスの仕組みはセンターサーバーとブロックチェーン技術の通信が前提で、通信サーバーが機能しない局面での利用が課題だ。
6面
人材へ積極投資 名古屋銀
行員キャリアを自立支援 営業職の賃金引き上げ
行員キャリアを自立支援 営業職の賃金引き上げ
名古屋銀行は今年度下期から、改定した人事制度の運用を開始した。行員のキャリア自律(本人の意識改革)とそれを支え高める環境整備(銀行の風土改革)を実施し、地域・顧客および同行の持続的な成長を具現化するのが目的。人事・給与面では営業職の賃金水準を引き上げ、新人事考課制度で高い評価を得れば、従来制度より6歳若い最短31歳で支店長職への抜擢も可能とした。ただ考課制度は年度ごとの対応となっているため、全面施行は来年度からとなる。
7面
代理人サービス拡充 城南信金
来店できない身障者も支援
城南信用金庫(東京・品川)は1日から、代理人サービスを拡充した。従来は来店が困難な高齢者が対象だったが、身体が不自由で店頭に来るのが難しい人にまで範囲を広げた。親族が預金の入出金などの取引ができる。
8面(文化)
【Runner】 東海財務局
金融教育 官民挙げて
地域金融・業界団体と連携 民間単独ではSDGs観点から講義
中部圏でも小中高など学校での「金融リテラシー講座」の実施にあたり、官民挙げた出前授業で応じている。東海財務局では10月29日、名古屋市内の高校で日本証券業協会・名古屋地区協会と協働して取り組んだ。同財務局が金融業界団体と連携して講師を学校に派遣したのは今回が初めて。今年4月からの成年年齢引き下げや高校向け学習指導要領の改訂を受け、金融庁では要領に対応した授業を行うための指導教材を作成。教育現場での円滑な実施を支援している。