4月
【383】 2022年4月4日付 フィンテック最新事情(241)
ウクライナのサイバー反撃 IT軍団
今回のロシアによるウクライナ進攻戦争については専門家からロシアの過去実績を踏まえた戦略としてサイバー空間の戦いを含めたハイブリッド戦争の予測があった。しかし意外にもサイバー空間での戦いについては情報が少なく、日々報道されているのは地上戦の破壊と市民が巻き込まれた悲惨な状況ばかりである。前382号で触れた、ダイモンCEOのインタビューでは「戦争がはじまり一部の銀行がサイバーアッタックを受けるだろう」と予測していたが、まだ実行されていないか、もしくはアメリカ軍に阻止されているかわからないとの発言にあるように、サイバー空間の戦いについての情報は限られている。前382号の“デジタル・パールハーバー”では経済制裁を受けているロシア側からの反撃として、国際金融ネットSWIFTを攻撃するリスクが高まっていると紹介したが、今号ではワシントンポスト紙(3月1日付)が報じた“ウクライナはハクティビストに助けを求めている”の記事を紹介する。
最初に、ハクティビストとは「社会的・政治的な主張を目的としたハッキング活動(ハクティビズム)を行う者」のことである。従って、ウクライナ国軍のサイバーセキュリティ特殊部隊ではなく、ウクライナ国内にとどまらない世界中のハクティビストに声をかけ、ウクライナを支持するハッカーをIT軍団(IT Army)として組成して、ささやかなサイバー攻撃を仕掛けている現状が報道されている。ロシアによるウクライナ進攻後に最も目立ったハッキングはIT軍団によるサイバー反撃であった。IT軍団による反撃は比較的小規模なもので、クレムリンに関するウエブサイトをブロックもしくは改ざんすることが主な目的であり、銀行やエネルギー企業なども主要な標的としている。28日(月曜日)のモスクワ証券取引所のウエッブサイトが破壊されたのも、このIT軍団の仕業ではないかとワシントンポスト紙は報道した。……続きは本紙で。
【384】 2022年4月11日付 フィンテック最新事情(242)
サイバー戦争の行方 ロシア・ウクライナ
当コラムでサイバー戦争を取り上げたのは2014年10月の第67号“JPモルガンCEO これはもうサイバー戦争だ”である。まさにクリミア併合でロシアが制裁を受け、JPモルガン銀行がロシアからハッキングされ7600万顧客のデータが漏洩した事件があった時のことだ。このハッキングは国と国との戦争で起きたものではなく、巨大は被害を受けた銀行とロシアのハッカーとの戦いを紹介した事例であった。その後70号“政府御用達、高度なハッキング”では国家レベルのハッキングについても紹介していた。
今回のロシア・ウクライナの戦争で報道されてくる近年登場したサイバー空間をも戦場化したハイブリッド戦争について、その最新のテクノロジーを使ったサイバー戦争はどのようなものなのか興味を持ちつつも、あまりにも悲惨な地上戦の傷跡をテレビで見るにつけ、原稿を書く筆がなかなか進まなかったのは事実である。……続きは本紙で。
今回のロシア・ウクライナの戦争で報道されてくる近年登場したサイバー空間をも戦場化したハイブリッド戦争について、その最新のテクノロジーを使ったサイバー戦争はどのようなものなのか興味を持ちつつも、あまりにも悲惨な地上戦の傷跡をテレビで見るにつけ、原稿を書く筆がなかなか進まなかったのは事実である。……続きは本紙で。
【385】 2022年4月18日付 フィンテック最新事情(243)
戦争に巻き込まれた銀行 HSBC
軍事力による戦争、それに対抗する経済制裁による戦争、いづれにしても双方にとって無条件に行使するには痛み・苦しみが伴い、その被害が徐々に拡散され、見えてくるのは悲惨な光景だけしかない。
その中からこの戦争に巻き込まれた英国の銀行、HSBC(香港上海銀行)の孤高な経営方針を貫く姿を紹介する。
飛び込んできたニュースは英国のガーディアン紙(3月28日付)の“HSBC アナリスト向けレポートから戦争への言及を削除”である。冒頭に、「ロシアからの撤退を求める圧力の中で、銀行が調査資料の文言を和らげたとの報告」、「HSBCは、ウクライナ戦争をめぐり、いくつかの最大手のライバルにならってロシア事業を閉鎖するよう圧力を受けている」と概要が記されている。……続きは本紙で。
【386】 2022年4月25日付 フィンテック最新事情(244)
ウクライナの中小企業は今
ウクライナの現状をドキュメンタリー風に報道された2つのニュースから紹介する。
「ウクライナのフィンテックや銀行で働く人々にとって、頭上をミサイルが飛び交い、近隣の都市で恐ろしい残虐行為が行われ、1100万人が家から追い出される中、仕事に集中しようとするストレスははかり知れない。しかし、多くの人々は、ビジネスをできるだけ正常に保ち、従業員の安全を確保し、できる限り自国を支援しようと、とにかく続けているのです」(アメリカンバンカー紙4月11日付)……続きは本紙で。
ウクライナの現状をドキュメンタリー風に報道された2つのニュースから紹介する。
「ウクライナのフィンテックや銀行で働く人々にとって、頭上をミサイルが飛び交い、近隣の都市で恐ろしい残虐行為が行われ、1100万人が家から追い出される中、仕事に集中しようとするストレスははかり知れない。しかし、多くの人々は、ビジネスをできるだけ正常に保ち、従業員の安全を確保し、できる限り自国を支援しようと、とにかく続けているのです」(アメリカンバンカー紙4月11日付)……続きは本紙で。