2020年6月15日
2020年6月15日 第3070号
1面
資本返済 「数値目標なし」に転換 政府など与党
公的資本支援に新法
市場レートよりも優遇も
新型コロナ感染症に対応し金融機関を通じて企業の資金繰り支援を強化するため「金融機能強化法の特別措置法」(金融機能強化法)が改正、金融庁は8日、新法を国会に提出した。公的資金の注入時に、従来は「(資本注入による)収益性や効率性の回復目標の設定とともにこの進捗度」や「中小企業への貸出増加額の推移」、またこれらの結果責任として「経営体制の見直し」が要求されていた。
2面(総合)
「コロナ禍の街」窮状訴え 全国255信金
ネットワークが効果を発揮
今こそ出番と強調
新型コロナで中小・小規模事業者の業績が急速に悪化する中で、全国255の信用金庫が地域の金融機関としての存在感を高めている。緊急事態宣言解除後もコロナ収束への道筋は不透明で、第二波、第三波も懸念される。自粛ムードも拭えず、完全にコロナ前に戻ることは考えにくい。「地域に根差した信金の力で絶対に地域を守り抜く」と信金による地域目線の対策が広がりを見せそうだ。
3面(総合)
広がる不動産の有効活用 中部の地域銀
指針改正が契機
老舗支店建て替え 上階は賃貸住宅
【名古屋】中部の地域銀行が一等地にある支店不動産の有効活用に相次ぎ乗り出している。住環境に優れた立地にあって老朽化した営業店を対象に、共同住宅を併設した高層の複合ビルに建て替えている。金融庁が2017年9月に監督指針を一部改正し、保有する不動産の有効活用(賃貸)を後押しする方針を示したことで導入が広がりつつある。営業店の機能強化と地域活性化の両面に応える手法として注目されている。
4面(大手行・証券・保険)
トップラインは全社増収 主要損保2020年3月期決算
純利益、保険引受利益はふるわず
純利益、保険引受利益はふるわず
東京海上HDは今年度予想「未定に」
主要損害保険各社の2020年3月期決算が5月29日に出そろった。全グループともに売上高にあたる正味収入保険料は昨年同期に比べ全社で増収となり、トップラインの好調さがうかがえる。ただ、保険本業のもうけを示す保険引受利益と当期純利益はマイナスが目立つ。
5面(ノンバンク・ICT)
スマホで入退室管理 NTTドコモ
マスク着用でも高精度
5G対応で速度向上
NTTドコモはスマートフォンで顔認証による入退管理ができるソリューション「イージーパスパワードバイセイファー」の提供を法人向けに開始した。5Gにも対応、認証速度がさらに向上する。今後、提供を予定する「クラウドダイレクト」との併用で、より高セキュリティーな環境で使用できるという。5月29日から。
6面(地域金融)
取引先から在庫直接購入 静岡県5信金
食品廃棄ロス防ぐ
取引先支援の一環
沼津、三島、富士宮、富士、静清の静岡県内5信用金庫は、新型コロナウイルスで売り上げが減少している企業支援策として、取引先が抱えた賞味期限が近い在庫商品を役職員向けに販売した。複数の信用金庫が連携して実施することで、より多くの在庫の処分が見込めると判断した。新型コロナという状況下、役職員も積極的に購入に応じ、担当者の想定を上回る金額がさばけたようだ。
7面(信金・新組)
「3密」避け、地域にPR 6月15日 信用金庫の日
新型コロナのさなか
感染拡大懸念、活動自粛も
「『信用金庫の日』を例年通り行うべきか」--新型コロナウイルス感染防止などを理由に、イベントや行事を中止すべきかどうかで多くの信用金庫で判断は揺れ動いたようだ。個別信金が「3密」につながる取り組みの多くを取り止める一方、地区・都道府県協会の統一活動が個別信金の取り組みを補完することになっている。
8面(文化)
店舗にジムとランドリー 大垣共立銀
愛知県内に新形態の拠点
「街の勢い加速」市長歓迎
【名古屋】手のひら認証だけで金融取引が完結するフィンテック拠点。車に乗ったまま窓口とATMが利用できるドライブスルー店。店内には実際に雑誌や無料喫茶のコーナーがある、コンビニと見間違えるような外観の営業店――。このような新しい店舗の形を各地域の特性に合わせて展開する大垣共立銀行。今度は名古屋市東部と隣接する愛知県日進市に1日、女性専用のコインランドリーとフィットネスジムを併設する営業店を5年半ぶりに新規出店した。その狙いとは――。