2020年4月13日
2020年4月13日 第3062号
1面
ついに緊急事態宣言、7都府県 政府■金融庁
金融機関は事業継続 「出来るだけ最低限の人員で」
新規営業は自粛
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い政府は7日に7都府県に緊急事態宣言を発出、経済対策も決めた。
それを踏まえて麻生太郎・金融担当相は「金融システム・金融資本市場の機能維持について」の談話を公表。
対象となった東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡の金融機関と国民の双方に対し適切な対応を要請
した。金融機関には感染拡大防止と事業者の資金繰り対応の2つの観点から「防止措置を取りつつ金融機関の
フルバンキング店舗は全店、開くのが基本」とした。事業の継続こそが国民の安心につながる、と緊急時でも
金融機関が国民生活や経済の安定確保のインフラだと改めて示す。ただ、新規の営業活動には自粛を呼びかけ
ている。
2面(総合)
共同で投信契約を変革 キヤノンMJ みずほ銀 NRI
地域金融機関にはパッケージで 必要な目論見書を
キヤノンマーケティングジャパン(MJ)、みずほ銀行、野村総合研究所(NRI)の3社は共同で、「目論見書オンデマンド印刷システム」を構築した。投資信託の契約手続き業務のプロセス変革を支援する。地域金融機関向けに低価格なパッケージソリューションも今後、展開を予定している。
3面(総合)
コロナ危機 個人向け支援も厚く 民間金融
条件変更手数料を免除 フリーローンも弾力化
猛威を振るう新型コロナウイルスによる感染拡大。民間金融機関では事業者の資金繰り支援を最優先に取り組む。同時に直接的・間接的な影響を受ける個人客にも目を配る。住宅ローン利用者はその筆頭格となろう。一部の金融機関では、返済猶予時に必要な条件変更手数料を免除する措置を取る。リーマン危機を受け制定された中小企業金融円滑化法。すでに期限が到来し、金融当局への計数報告も休止された。ただ、その精神を十二分に発揮するステージに現状あると言える。
4面(大手行・証券・保険)
「意欲」スコア化 エンゲージメント向上 三井住友銀
組織改善PF海外拠点にも
三井住友銀行は6月にも行員の組織や仕事への自発的貢献意欲を指す「エンゲージメント」を自動で算出する仕組みを整える。全行員約2万8000人が対象、海外拠点にも段階的に導入する。組織ごとの行員意識や状態を可視化、課題のあぶり出しで迅速な改善につなげる。
5面(ノンバンク・ICT)
みずほ銀の完全子会社に UCカード
新社長に中西氏、次の50年幕開け ドコモとの関係は維持
ユーシーカードが1日から、みずほ銀行の100%子会社になった。NTTドコモが保有していた26%の全株式を買い取ったものだが、ドコモとの連携関係は引き続き強化、維持していく。新社長にはみずほビジネスサービスの社長を務めていた中西章裕氏が就いた。今後、持ち株会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)の総合カード会社として事業の機動性を高め、収益に貢献することが見込まれている。
6面(地域金融)
「緊急事態宣言」業務に影響 地域銀
シフト勤務リモートワーク 営業時間の短縮休業も
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、7都府県で発令された緊急事態宣言は、全国の地域銀行の営業現場にも影響を及ぼし始めた。生活インフラを支える金融機関は営業自粛の対象から除外されたが、感染拡大に細心の注意を払ってきたにも関わらず、複数の地域銀の営業店や本部で感染者が出ている。行員の健康を守る観点から、出勤する行員数を減らしたり、営業店の業務の縮小や営業時間の短縮、一部店舗では休業するなどの措置を講じる事態となっている。
7面(信金・新組)
「地産都消」に一役 東京東信金
津山信金と連携協定 経営者同士の交流も
東京東信用金庫(東京・墨田)は8日、津山信用金庫(岡山県津山市)と地方版総合戦略の推進をテーマに連携協定を結んだ。農産品・加工品の首都圏での販路開拓支援や両金庫の取引先組織の交流などを行う。「地産都消」の流れをつくり、津山市と周辺地域の活性化を支援する。
8面(文化)
【Runner】 東京スター銀経営企画部
「子どもの貧困」に向き合う 応援プロジェクト、2年目に
銀行ならではの支えに
社会問題化する子どもの貧困について銀行業界がその解決に向けて動き始めた。全国銀行協会は2019年度に会員行に向けて初の会合を開き、具体的に取り組む銀行の事例を紹介して横の展開を促した。青森銀行、米シティグループなどとともに登壇した東京スター銀行は「次世代を担う人材育成」の旗印のもと、子ども応援プロジェクトに力を入れる。経営企画部の寺井慶文部長は「昨年度の実績を踏まえて2020年度は施策をさらに深堀りしたい」と力強い。