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4月

【302】 2020年4月27日付 フィンテック最新事情(160)

申請は160万件を超え、金額は3400億㌦に達した
米国のスモールビジネス向け支援プログラム PPP 続編
 
 前号では、米国のスモールビジネス支援の為に国が用意した3500億㌦のPPP(給与保護プログラム)が4月3日(金)から開始された時の混乱を紹介した。
 この支援資金提供は、企業主がオンラインでSBA認可の銀行に申し込み、銀行はSBAのオンラインシステムe-Tranに接続して処理され、すぐに企業主の口座に資金が振り込まれえる仕組み。受付から約1週間後には申請金額の1270億㌦が企業主に届けられ、「このペースでは当初用意した資金がすぐに枯渇し2500億㌦
が追加として用意される」と報道されていた事もお伝えした。
 ところが現実は約160万件の申請を4月15日迄に受け付け、用意した3500億㌦はあっという間に底を突いた。
 追加の2500億㌦の準備に共和党と民主党の合意が得られず滞っていると各紙から報道されている。このPPPについては数々の問題点が指摘されているようだが、最初に両党の主張を紹介する。
 共和党は最大500人規模の企業に対する社員の給料を保証する、このPPPに必要な資金を追加する素早い対応を主張しているが、民主党は病院、州政府及び地方自治体にも資金援助でき、加えて食糧援助する新たなプログラムとして議会で承認すべきであるとの主張をしている。4月16日(木)の時点では両党共に譲歩する姿勢を見せていないようだ。
・・・続きは紙面に掲載

【301】 2020年4月20日付 フィンテック最新事情(159)

PPPの対象企業は3000万先、資金は3500億㌦が用意された
米国の小企業向け支援プログラム PPP
 
 コロナウイルスのパンデミックは世界中に感染拡大の脅威を撒き散らすと同時に、現行の社会システム・制度や習慣に潜む問題点を浮き彫りにする力にもなり、混乱は日本だけではなく世界の国々に広がってくると思われる。
 この混乱に目が奪われている現状ではあるが、ポスト・コロナウイルスについてのレポートが最近徐々に出始めている。ウイルスとの戦いがいつ終わるか誰も言えないが、この戦いが終わった後には「全く違う世界が現れるNext Normal」、つまりドラスティックに変革した世界に入っていくと指摘している点に注目したい。
 ところで、いつの間にかイタリアを抜いて最大規模の感染者数と死亡者数を記録している米国では、日本とは全く危機感のレベルが異なる数々の対策を打ち出している。その中から当稿では小企業向けプログラム「Paycheck  Protection  Program:PPP」に関するフィンテックを巻き込んだ混乱について紹介する。
 このPPPの概要は、今年2月15日から6月30日の間に発生した従業員の給与、賃料、保険、公共料金等の支払のために1事業者あたり最大1000万㌦のローンを提供するものである。しかし、6月30日まで従業員の雇用を維持した場合は、借り入れたローンのうち給与と賃料等に充てられた金額については返済が免除される。
・・・続きは紙面に掲載

【300】 2020年4月13日付 フィンテック最新事情(158)

素早い審査能力と申請者へ即刻入金する事が出来るフィンテックこそが今、全米3000万の中小企業者を救うために必要だ
フィンテックの実力が生きる 新型コロナウイルス対策
 
 最初に、世界金融大恐慌と言われるリーマンショックの5年後、2013年4月8日に本コラム1号〝米国のアラカルトバンキング〟を掲載してから既に8年目を迎え300号目になりました。その間、デジタル化社会の進展に伴う銀行のモバイルバンキング等の各種テーマを時折々採りあげてきましたが、フィンテックに焦点を当てたフィンテック最新事情編としては、16年1月11日に第1号「銀行が破壊される」衝撃度〟を始めてから5年目を迎え158号目になりました。
 本来であれば、筆者として素直な気持ちでこの様な機会を与えて頂いた事に謝意を表すべき時ではありますが、パンデミック宣言された非常時を考えると複雑な心境です。
 フィンテックのスタートアップに積極的に投資し夢の実現を指導・支援してきたベンチャーキャピタル。そのスタートアップを立ち上げる若者達の技術力とチャレンジ精神旺盛なアイデアによって生み出されてきたフィンテックの新しい金融サービスで、銀行の古い体質を破壊する若者の意欲が、真に我々消費者が望む金融業界の体質改善と金融サービスの向上に寄与している段階にきている時だけに、昨年の消費税率引き上げ議論における日本政府発言〝リーマンショック級の事態が発生したらこの計画は中止する〟とまで重大視されていた事態が今、新型コロナウイルス感染拡大という形で実体経済の破壊を世界中に広めている。
・・・続きは紙面に掲載

【299】 2020年4月6日付 フィンテック最新事情(157)

新型コロナはフェースtoフェースの関係で保たれていた顧客との良好な関係にも影響する重大な環境変化として銀行経営者は対策を講じる必要性に迫られるだろう
新型コロナウイルスによる環境の変化 
 ソーシャル・ディスタンシング
 
 どうも新型コロナウイルス(COVID-19)に関するニュースを読んでいると本稿で紹介したJPモルガン銀行の支店を持たないデジタルバンク(FINN)で新規マーケットを開拓する戦略を思い出す。この戦略は一応米国市場で自行のモバイルバンキング・ユーザを侵食するだけとの理由で失敗したと言われているが、今度はイギリス市場でこのFINNを立ち上げようとしていると最近報道されている。
 なぜJPモルガン銀行のFINNを思い出すかと言えば、最初のうたい文句は支店に行かなくてもすべて同じサービスを受けられる、それがFINNだと強調していた点である。
 今回のCOVID-19騒動で筆者にとって初めて目にする言葉がソーシャル・ディスタンシングである。その意味する事は、感染症専門家委員会のメンバーが説明しているように「話をする時には2メートル以上離れなさい、そうでなければ感染しますよ」と注意を喚起している感染症対策の一つとして使われている言葉である。
・・・続きは紙面に掲載
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