2020年3月16日
2020年3月16日 第3059号
1面
歴史的緊急事態で 政府
2兆円規模対策 「早期収束、事業継続」最優先に
初の危機関連保証など、金融庁は特別聴取
政府は10日に安倍晋三首相を本部長にする新型コロナウイルス感染症対策本部で緊急対応策の第2弾をまとめた。事態終息後に再度、事業を成長の軌道に乗せるため日本政策金融公庫などによる1兆6000億円規模の金融措置を講じた。今回初となる「歴史的緊急事態」と北村誠吾・地方創生相が宣言。国家や社会として記録を共有すべき、と関連会議の議事録などの作成が義務づけられた。金融庁は民間金融機関に対し特別ヒアリングを実施する方針だ。
2面(総合)
買収や提携で統合進む キャッシュレス現況
草分けオリガミペイ、6月に終了 通信大手が中心
キャッシュレス決済の推進を図ろうと経済産業省がキックオフイベントを開催し、早1年。多くのプレイヤーが参入し、大規模な消費還元政策などで大きな盛り上がりを見せたが、ここに来て変化が見え始めた。バラバラだったプレイヤーたちが業務提携や買収などにより通信大手を中心にまとまりだした。第2フェーズへと移ったキャッシュレス競争の行方を追う。
3面(総合)
「中部圏水素利用協議会」設立
エネルギー・自動車・金融など10社参画
産業界全体で横断的に検討 需給バランス改善
【名古屋】自動車、金融、石油化学、エネルギーなどの業界で水素の利用促進に取り組む民間企業10社は6日、「中部圏水素利用協議会」を立ち上げた。政府は水素を将来の重要なエネルギーの一つに位置づけ、「水素社会」の実現に向けた工程表を策定した。ただ社会実装に向けた新技術などの実証が進む水素の製造・供給サイドに比べ、利用する需給サイドでの検討は個社レベルにとどまる。そこで協議会を設立し、国内初の産業界全体で横断的に検討を進めることにした。
4面(大手行・証券・保険)
ITロードマップ策定 NRI
進化する「ブレインテック」 人間行動のモデル化期待
野村総合研究所(NRI)は、情報通信関連の重要技術が2020年以降どのように進展し、実用されていくかを予測した「ITロードマップ2020年版」をとりまとめた。「5G」や「情報銀行と信用スコア」など9つを注目技術として取り上げ、その中でも「ブレインテック」が特に将来的に大きな進展が見込まれるとして、今後の展開などについてまとめた。
ブレインテックとは、脳を意味する「ブレイン」と技術を意味する「テクノロジー」を組み合わせた造語。脳波やCT、MRIなど外部から得られたさまざまなデータを活用して、脳科学の観点から脳の状態を分析するもの。17年に米電気自動車メーカー、テスラのCEOがブレインテック企業を立ち上げ、大きな話題となった。
5面(ノンバンク・ICT)
脱プラ製カードへ クレジットカード各社
個人情報保護に配慮
クレジットカード各社が脱プラスチック製カードに動いている。若年層は現金を使わないキャッシュレス決済に馴染んでおり、その手段も多様化しているためだ。一方でこれまでのプラ製カードの利用者層へも個人情報保護に配慮する。カードやスマートフォンだけでなく、自身の「身体」や「行動」で本人を認証する決済の将来も見据える。
6面(地域銀)
M&Aでデータベース 地域銀
常陽銀 足利銀 広域連携の強み発揮 TSUBASAも
地域銀行による広域連携の範囲が広がりをみせている。共通化しやすい基幹系システムや事務・業務部門へと拡大。ここに来て、営業部門にも対象が拡大している。経営者の高齢化で対策が急がれる中堅・中小企業の事業承継問題についても、広域連携による規模・範囲のメリットが生かし、昨年から共通のプラットオーム基盤を構築する動きが行われている。
7面(信金・信組)
信金業界で広がる
未利用口座管理手数料 来月導入含め20超
信用金庫業界で「未利用口座管理手数料」が広がっている。4月の導入予定を含めると20信金を超えた。長年、出入りがない不稼働普通預金口座は犯罪や不正の温床になりかねない。一方で管理には一定のコストがかかっている。手数料を求めることで活性化や整理を促す。マイナス金利で収益が先細る中小金融機関にとって放置できない状況になりつつある。
8面(文化)
【Runner】 インクグロウ
中小企業の事業承継支援拡充 地域金融との連携軸に
地域内マッチングサイト 地域銀大手も導入へ
経営コンサルティングのインクグロウ(東京・中央)が中小企業の事業承継を支援する取り組みを拡充している。昨年からは、以前から力を入れている後継者や若手経営者向けのセミナーなどで関係のある地域金融機関などと、インターネット上で地域内承継のマッチングサイトでの連携にも乗り出した。