2020年3月2日
2020年3月2日 第3057号
1面
外貨建て保険トラブル
国民生活センター 報告書で再度、注意喚起
業界共通の資格創設へ 約90万人対象
求められる投資家保護と適切な金融サービス提供の両立
国民生活センターが指摘する「外貨建て保険トラブルの増加」を受けて、保険業界や売り手の銀行業界が改善を求められている。両者はこれまでも高齢者ニーズへの対応や販売側の教育で協議、生命保険協会は販売員資格制度の創設を正式に表明した。だが、一概に高齢者といっても認知能力も異なり実際の対応や運用は難しい面もある。投資家保護と適切な金融サービス提供の両立への道を模索していくことになる。
2面(総合)
アイアル少短にマーケティング機能
次世代戦略 従来型モデルからの脱却狙う 住友生命グループ
3社一体で新たな価値を
住友生命は今年4月からの新中期経営計画で、代理店販売を主軸とするメディケア生命や今年8月に子会社化したアイアル少額短期保険を含めた3社で双方向性の顧客接点、商品、戦略を実現していく方向だ。保険業界でも従来型のビジネスモデルからの脱却が求められているからだ。上席執行役員の岩井豊城氏は「次の戦略では多岐にわたる接点で得た知見を他チャネルに展開する必要がある」と、商品開発や販売に加えた総合的ソリューションの必要性を説く。
3面(総合)
「脱炭素化」後押しへ 金融版SBT
事業会社に金融支援 「環境と対話」深め
金融機関でESG(環境、社会、ガバナンス)金融への取り組みが進む中で「金融版SBT」への注目が高まる。今夏の枠組み策定が見えてきたからだ。SBTのルールメーカーであるSBTイニシアチブのNate・Adenシニアフェローは「ファイナンス面は日本がリードしている」という。金融セクターの変革には政府とシステムの支援が必要と指摘する。
4面(大手行・証券・保険)
AIが修理見積もり点検 東京海上日動
トラックテーブルと試験導入 査定員の業務も効率化
東京海上日動火災は4月から、高い画像認識技術をもつ英Tractable(トラックテーブル社)と連携して、AIを活用して修理工場から提出された修理見積書の内容を点検する技術を試験導入する。支払い保険金の早期確定と迅速な支払いにつなげる。損害査定を行うアジャスターの負担軽減も見込む。
5面(ノンバンク・ICT)
手ぶら決済実用化へ UCカード■日立
20年度中の本格展開を 指静脈で利便と安全両立
みずほグループのUCカードと日立製作所が3月末まで、両者の社員による手ぶらでのキャッシュレス決済の実証実験に取り組んでいる。指静脈を使う認証技術を使い2020年度末までの実用化を目指す。利用側、店舗側双方の利便性向上とクレジットカードの不正利用やなりすまし防止の両立を図る。
6面(地域銀)
郵便局に銀行窓口 南都銀
3月末 黒滝村から
【大阪】南都銀行は2月26日に本店で会見を開き、郵便局との共同店舗を来月末に黒滝村でスタートさせることを明らかにした。振り込みや振り替え、口座解約などの手続きが郵便局内でできるようになる。店舗の撤退リスクを郵便局とのタッグで薄める。様子を見ながら共同店舗の拡大も検討する。
7面(信金・信組)
未利用口座に手数料 北おおさか信金
府内初「口座活性化を」
【大阪】北おおさか信用金庫(大阪府茨木市)が4月から、未利用口座に手数料を設ける。休眠口座を活性化させるのと同時にコスト意識を広げたい狙いがある。信用金庫では愛知県を中心に北海道や都内など散発的に導入するケースが広がっている。マイナス金利と長引く低金利で地域金融機関の体力低下が懸念されている。有料化が全国に広がっていくか注目される。
8面(文化)
【Runner】 埼玉県信金
まちづくりファンド始動 4市1町の価値向上目指す
異なる課題支援、全国初
埼玉県信用金庫(埼玉県熊谷市)は、県内の中心市街地の活性化や歴史的建造物の保護を目的としたマネジメント型まちづくりファンド「さいしんまちづくりファンド」を設立した。民間都市開発機構(民都機構、東京・江東)との共同出資で、県内金融機関としては初めての取り組みだ。各自治体と協力しながら、さまざまな課題の解決に向けて取り組むファンドで、投資を通じて地域の活性化、そして更なる価値向上を目指していく。